研究課題/領域番号 |
22320086
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
西岡 敏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (30389613)
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研究分担者 |
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)
中本 謙 琉球大学, 教育学部, 准教授 (10381196)
下地 理則 群馬県立好大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (80570621)
又吉 里美 志學館大学, 人間関係学部, 講師 (60513364)
仲間 恵子 琉球大学, 浩文学部, 非常勤講師 (00412859)
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キーワード | 国語学 / 方言学 / 言語地理学 / 宮古方言 / 琉球方言 / 南琉球 / 言語地図 / 音変化 |
研究概要 |
平成22年度は、おもに次の3つのことを行った。(1)調査済みデータのソフトウェアへの移植、(2)「動詞活用調査票」の作成、(3)臨地調査と新たな調査地点の開拓。 (1)。1980~1990年代、沖縄言語研究センターという研究機関が、『琉球列島の言語の研究全集落調査票』(約200語の調査項目。以下、『全集落調査票』)により、宮古方言の調査を行っている。その宮古方言のデータをファイルメーカープロというソフトウェアに移植した。宮古方言には難しい音声が多数あるが、音声記号の形で正確に宮古方言のデータを移植した。その際、入力に協力した学生に謝金を支払った。この移植により、言語地図の作成が容易になると同時に、以後、臨地調査すべき項目が明らかになった。仮の段階ではあるが、言語地図を数十枚作成し、会議で検討した。会議では入力データに誤りがないかの確認も同時に行った。 (2)。『全集落調査票』には、後半部に動詞活用の調査票があるが、従来、調査しづらい部分となっており、この部分の言語地図の作成が危ぶまれた。そのため、調査票を改良し、新たに「動詞活用調査票」を作成した。会議で「動詞活用調査票」の原案を検討し、改良を加えたものを完成版にして、臨地調査に赴いた。この「動詞活用調査票」は「単語」単独ではなくて、「文」全体で調査する形にしており、動詞活用のみならず、名詞や助詞なども同時に調査できるようになっている。 (3)。「動詞活用調査票」を軸にして、宮古方言の臨地調査を行った。平成22年度は、狩俣・与那覇・野原・宮国・長浜・七又・新里・砂川・西原といった地点の方言調査を済ませた。これらうち、七又は、沖縄言語研究センターの調査では対象外となっていたため、今回、新たなデータが得られることとなった。他にも、未調査地点の方言データが得られた部分があり、これら地点のデータをソフトウェアに移植することで、さらに充実した言語地図の完成が期待できる。
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