研究課題
本研究では、極小論(Chomsky 1995, 2001, 2005)を、その射程外であるように扱われてきた音韻部門に適用することを試みるものである。「極小化」という概念のもと、統語・意味部門と音韻部門に共通する高次な普遍的範疇や原理を探求し、それらから成る音韻モデルの考案を試みた。4年目に当たる平成25年度は、昨年提案した単層音韻モデル(音韻部門と調音・知覚システムとの間から派生中間レベルを完全に廃し、適格な語彙(音韻)表示を音響信号に直接的に写像するモデル)の妥当性を,様々な言語で観察される音韻現象を分析することで検討した。具体的には、(1)前年度までの研究成果を統括した上で、分節内表示と超分節表示に共通する高次な普遍的範疇や普遍的原理を解明し、(2)その妥当性を検討した後に、統語部門における極小表示モデルと理論的整合性を呈する単層音韻表示モデルを考案した。さらに、(3)そのモデルのもと、音韻現象と生理学的現象との境界を明示しながら、共時・通時的音韻現象と音韻獲得過程を同時に説明可能とする音韻表示および音韻原理の可能性を探った。上述の研究成果は、平成25年度も本研究のウェブサイトを通じて公開し、海外の研究協力者および国内外の関連分野の研究者と情報の交換を行った。そして、本年度の研究成果(論文7編、図書2冊)については、国内外において権威のある雑誌や出版社から出版された。また、国内外で開催された26の国際学会やワークショップにおいて発表された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (26件) (うち招待講演 8件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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