本研究では茨城県大洗町のミナハサ地方出身日系インドネシア人就労者の子女を対象とし日本語習得と母語継承について聞き取り調査と言語能力の調査を縦断的な悉皆調査を試みた。コミュニティメンバーは全員がプロテスタントないしカトリック教徒で、教会活動に熱心な家族の子女については比較的詳細なデータを得ることができた。日本語習得については従来から多くの研究で指摘されてきたとおり、到着時年齢が重要なファクターであることの追認に留まった。一方、継承言語の習得についてはキリスト教徒としてのアイデンティティが重要な役割を果たしていることが窺えた。一部の洗礼を受けた者の中に高度なインドネシア語の習得が見られた。
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