研究課題/領域番号 |
22320093
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉村 泰 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (60324373)
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研究分担者 |
稲垣 俊史 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (00316019)
庵 功雄 一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (70283702)
建石 始 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (70469568)
張 麟声 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80331122)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 第二言語習得理論 / 中間言語コーパス / 中国語話者 / 日中対照研究 / 動詞 / 日本語教育 / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
本研究は中国国内の大学で日本語を専門として学習する大学生を対象に、1年次から4年次までの4年間にわたり縦断的に動詞の習得過程を追跡する研究である。本年度は昨年度の基礎の上に、以下のようなプロジェクトを実施した。すなわち、(1)で作成した縦断的中間言語コーパスを資料として、(2)において学習者の母語である中国語と目標言語である日本語について、対照研究や誤用分析に根ざした第二言語習得研究を行った。 (1) 縦断的学習者中間言語コーパスの作成 ①すでに収集済みの湖南大学生3年次前半の会話、作文データをコーパス化する作業を進めた(会話担当:杉村、張、建石 作文担当:庵、稲垣)。②3年次後半および4年次前半のデータを収集しコーパス化する作業を進めた(会話データは杉村、張が日本人学生を連れて訪中して採取する。湖南大学側の了承済みである)。③台湾の東呉大学作成の「LARP at SCU」などを参考にして、データの採取時期別、個人別にデータ番号を割り振り、検索しやすいフォルダやファイルの構成を行った。④被験者情報(性別、年齢、出身地、外国語学習暦)については、湖南大学側の了承の公開とした。 (2) 日本語学習者の動詞の習得過程の解明 ①(1)において収集したデータを利用して、初中級段階における日本語動詞の習得と母語転移との関係を分析し、中国語話者のための日本語教育研究会において中間報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトでは、学習者中間言語コーパスの構築が研究の主要な柱となっているが、中国の湖南大学の協力により、そのためのデータ収集が順調に進められているため。また、動詞の習得に関しては、自動詞・他動詞・受身の使い分けに関して、習得段階別による一定の誤用の傾向が見られ、日本語教育に貢献しうる興味深い事実が明らかとなっているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は中国国内の大学で日本語を専門として学習する大学生を対象に、1年次から4年次までの4年間にわたり縦断的に動詞の習得過程を追跡する研究である。本年度は昨年度の基礎の上に、以下のようなプロジェクトを実施する。すなわち、(1)で作成した縦断的中間言語コーパスを資料として、(2)において学習者の母語である中国語と目標言語である日本語について、対照研究や誤用分析に根ざした第二言語習得研究を行う計画である。 (1) 縦断的学習者中間言語コーパスの作成 ①すでに収集済みの湖南大学生の会話、作文データをコーパス化する(会話担当:杉村、張、建石 作文担当:庵、稲垣)、②4年次のデータを収集しコーパス化する。(湖南大学側の了承済みである)、③台湾の東呉大学作成の「LARP at SCU」などを参考にして、データの採取時期別、個人別にデータ番号を割り振り、検索しやすいフォルダやファイルの構成を行う、④被験者情報(性別、年齢、出身地、外国語学習暦)については、湖南大学側の了承の上公開とする、⑤データ中、被験者や登場人物の人権を侵害しかねない情報については一般公開しない。 (2) 日本語学習者の動詞の習得過程の解明 ①(1)において収集したデータを利用して、1年次から4年次までの動詞の習得過程を明らかにする、②初中級段階において学習する日本語と中国語の動詞の対照研究を行う、③初中級段階における日本語動詞の習得と母語転移との関係を明らかにする、④以上の成果について中国語話者のための日本語教育研究会で議論し、研究成果報告書としてまとめ、調査データはWebで一般公開する。これにより、日本語研究者や日本語教師の日本語教育研究に貢献する。
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