研究課題/領域番号 |
22320101
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
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研究分担者 |
横田 秀樹 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (50440590)
坂内 昌徳 福島高等工業専門学校, 准教授 (60321387)
柴田 美紀 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90310961)
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キーワード | 第二言語習得 / 誤りへの対処法 / 明示文法指導 / 暗示的文法指 / 比較表現の習得 / 受動態の習 / 主語の習得 / Wh疑問文の |
研究概要 |
2010年8月7日(土)に関西大学で行われた「全国英語教育学会研究大会」の課題研究フォーラムで、「学習者の誤りへの対処法についての実証的研究-どのような支援が効果的か」のタイトルで、本科研費の関係者4名がパネリストとなり、本科研費研究成果の報告をおこなった。内容は以下のとおりである。まず、白畑は「高校生への比較表現の指導方法考察」と題し、高校生を対象に英語の比較表現を定着させるための指導法について考察した。調査から、高校生には同等比較級が最も定着率がよく、次に-er, -estが続き、more, mostの形式が最も悪いことが判明した。「比較表現」の困難さの原因は概念的難しさにあるのではなく、形式の混乱にあるようだ。そして、徹底的に口頭反復練習する指導法を取り入れてみた。結果として、口頭反復練習は定着を促し、効果が持続することが明らかとなった。坂内は「意味役割に焦点をあてた受動文の指導」と題し、英語と日本語における受動文の表す意味の違いに焦点をあてた明示的文法指導について、約6ヶ月後に実施した2回目のpost-testの結果を含めて報告した。英語学習者が受動文の形態統語と意味の対応の習得において自然な習得順序を示すことを指摘し、さらに主語の意味役割に学習者の注意を向けた産出活動を中心とした明示的文法指導が、英語では非文となる間接受動文の排除にどのように貢献できるか考察した。柴田は「日本人英語学習者の英文文頭名詞句の意味的役割の理解:明示的指導の試み」と題し、日本人大学生の英語学習者を対象に、日本語文と英語文の主語の位置に現れる名詞句の意味的役割の違いを明示的に教えることで、英語文に現れる文頭名詞句の不適切な解釈が訂正されるかを調査した。最後に横田は「Wh疑問文の習得における明示的指導の効果」と題し、日本語母語話者が、英語のwh疑問文を習得する際に、どの種類の明示的指導が役に立つかを調べ報告した。
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