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2011 年度 実績報告書

多言語会話文・語彙データベース構築と異文化交流におけるその活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22320103
研究機関東京外国語大学

研究代表者

萬宮 健策  東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (00403204)

研究分担者 石島 悌  大阪府立産業技術総合研究所, 業務推進課, 主任研究員 (80359398)
平松 初珠  大阪府立産業技術総合研究所, 業務推進課, 主任研究員 (30416250)
堀 一成  大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (80270346)
松本 健二  大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (00283838)
キーワード多言語資源 / 言語データベース / 異文化交流 / 外国語教育 / 音声信号処理 / 災害支援 / Webアプリケーション / 携帯端末
研究概要

平成23年度は、各言語データの一層の充実と、そのデータを活用するアプリケーションの開発に重点を置いて研究を進めた。
各言語によるデータについては、平成23年度中にスペイン語およびスワヒリ語のデータがほぼ完成することとなった。ペルシア語データについても、下記アプリケーションで実際に活用しつつ改良が加えられた。ウルドゥー語データについても、修正および拡充が図られた。
言語資源呈示用アプリケーションの開発は、前年度までに開発したアプリケーションの改良とそのWebアプリケーション化に焦点を置いて進めた。本年度の作業により、語彙・会話の一部を入力すると、入力した文字が含まれるデータのみが選択欄に表示される絞込み機能を実装した。これは数多くの語彙・会話からの選択作業の手間を省くためである。また、外国災害現場で利用しやすいよう、日本語の会話一覧から選択するだけでなく、現地語の会話一覧から選択絞込みができる基準語選択機能も実装した。インターネットが整備されている環境での支援や教育での利用のため、既開発済機能のWebアプリケーション化作業も行った。
上記以外では、携帯端末において音声データを利用する際の明瞭度を改善するための研究を行った。開発したアプリケーションを搭載した携帯端末から発信される音声データが、災害現場などの騒音環境下でどのように聴取されているのかを調べるため、聴取実験を行った。限られた音量の中で明瞭度を損なわないためには、音声データにどのような処理が適切なのかを検討し、必要な情報が提供可能な音声データのあり方を検討した。ペルシア語を専攻する学生・教員の協力を得て、ペルシア語音声データの聴取実験を行った結果、騒音下では中域を強調する処理は明瞭度を悪化させ、高域を強調する処理は明瞭度の向上の可能性があるということが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は、スワヒリ語やスペイン語のデータ構築が、予定どおりにほぼ完了した。また、データ構築時に各言語データ構築班から出されたさまざまな要望を取り入れて、またソフトウェア開発においては当初予定の機能の実装はほぼ終了し、Webアプリケーション化に作業を進めている。また付随して必要性が明らかになった音声明瞭度の向上研究についても実験を実施し、一定の向上法の指針を得ている。これらの成果は、研究発表や論文等により公開された(下記13.研究発表の欄参照)。以上のことから研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、本研究の最終年度に当たるため、各言語のデータについてはより精度を高めるとともに、改良を加えていく。また、そのデータを活かすソフトウェアについても、ウェブ上で公開できる形に仕上げるとともに、可能であれば、実践の現場でデータを活用し、ソフトウェアとデータのパッケージとしての質向上を目指す。
アプリケーション開発の部門では災害現場における操作性の向上やスマートフォン対応を進める。音声データ処理研究においては、対象言語の拡大、明瞭度向上法のさらなる研究、他デバイスへの対応法研究を進める。

研究成果

(21件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 学会発表 図書 備考

  • [雑誌論文] タイ語における味の評価表現2012

    • 著者名/発表者名
      宮本マラシー
    • 雑誌名

      大阪大学世界言語研究センター論集

      巻: 7 ページ: 55-73

    • 査読あり
  • [雑誌論文] スワヒリ語のアクセント-アクセントフレーズを中心に-2012

    • 著者名/発表者名
      米田信子
    • 雑誌名

      自立調和的視点から見た音韻類型のモデル

      ページ: 139-148

  • [雑誌論文] ヨーロッパ発「多言語主義」とアフリカの多言語状況2012

    • 著者名/発表者名
      米田信子
    • 雑誌名

      多言語主義再考-多言語状況の比較研究(砂野幸稔(編))(三元社)(全755p)

      巻: (書籍) ページ: 118-141

  • [雑誌論文] スワヒリ語諸変種記述調査報告(1)-チャアニ変種基礎語彙600語-2012

    • 著者名/発表者名
      竹村景子
    • 雑誌名

      スワヒリ&アフリカ研究

      巻: 23 ページ: 64-82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] パキスタンの雑誌事情2012

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 雑誌名

      アジ研ワールド・トレント

      巻: 198号 ページ: 35-37

  • [雑誌論文] urduu paRhne ke live naii aazmaaish aur jaapaanii ke kiye urduu zabaan paRhne meN diqqat(ウルドゥー語学習における新たな試みと、ウルドゥー語学習における問題点、ウルドゥー語)2011

    • 著者名/発表者名
      萬宮健策
    • 雑誌名

      Akhbar-e Urdu

      巻: 2011-07 ページ: 1-2

  • [雑誌論文] Laa Musaaviyast se Janam lene waalii Aawaazen : Unniisviin Sadii ke Aaghaaz men "Urdu Rasm al-Khat" kaa Tahqiiqii Jaa'iza2011

    • 著者名/発表者名
      So Yamane
    • 雑誌名

      Tahqiiq

      巻: Vol.19-2 ページ: 1-48

    • 査読あり
  • [学会発表] 多言語資源活用のためのアプリケーション開発と災害環境下での音声明瞭度の改善2012

    • 著者名/発表者名
      堀一成
    • 学会等名
      言語処理学会第18回全国大会
    • 発表場所
      広島市立大学
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] A Brief History of Urdu Education and Study in Japan2012

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      Pakistani Studies in Japan
    • 発表場所
      COMSATS Hall(パキスタンイスラマバード)
    • 年月日
      2012-02-17
  • [学会発表] 1920-30年代英領インドにおけるウルドゥー語出版とムスリム知識層の台頭2012

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      上智大学イスラーム研究センター「東南アジア・ムスリムと近代」ワークショップ「アジアのムスリムと近代1920~30年代の出版物を資料として」
    • 発表場所
      上智大学四谷キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2012-01-29
  • [学会発表] バントウ諸語の名詞修飾節-スワヒリ語とヘレロ語の例-2011

    • 著者名/発表者名
      米田信子
    • 学会等名
      「複文構文の意味の研究」ワークショップ
    • 発表場所
      神戸ユニティ
    • 年月日
      2011-12-18
  • [学会発表] 現代インドにおける仏教留学2011

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      RINDAS現代インド研究センター第1回ユニット2研究会
    • 発表場所
      龍谷大学大宮学舎(京都府)
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 現代南アジアにおける急進派について2011

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      日本南アジア学会第24回全国大会共通論題
    • 発表場所
      大阪大宇大学会館(大阪府)
    • 年月日
      2011-10-02
  • [学会発表] Multi-language Parallel Corpora and XML Annotation Tools2011

    • 著者名/発表者名
      堀一成
    • 学会等名
      Osaka Symposium on Digital Humanities 2011
    • 発表場所
      大阪大学言語文化研究科(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-13
  • [学会発表] 9.11がもたらしたもの-パキスタン社会における権力構造の変容2011

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 学会等名
      早稲田大学拠点・東京大学拠点・京都大学拠点共催イスラーム地域研究公開シンポジウム
    • 発表場所
      早稲田大学大隈記念講堂小講堂(東京都)
    • 年月日
      2011-09-11
  • [学会発表] 多言語タグ付けと言語資源構築2011

    • 著者名/発表者名
      堀一成
    • 学会等名
      第2回e国際共通語研究会
    • 発表場所
      東京大学情報理工学研究科講義室
    • 年月日
      2011-06-18
  • [学会発表] スィンディー語:どんな言語で、どこで誰が使っているのか2011

    • 著者名/発表者名
      萬宮健策
    • 学会等名
      東京外国語大学語学研究所定例研究会
    • 発表場所
      東京外国語大学語学研究所
    • 年月日
      2011-06-15
  • [図書] 'Dual Trends of Urdu and Punjabi Prosody', Hiroko Nagasaki (ed.) "Indian and Persian Prosody and Recitation"2012

    • 著者名/発表者名
      So YAMANE
    • 総ページ数
      97-106
    • 出版者
      Delhi : Saujanya Publications
  • [図書] アフリカ諸語文法要覧(塩田勝彦編)2012

    • 著者名/発表者名
      塩田勝彦、竹村景子、小森淳子、米田信子、品川大輔、神谷俊郎, 他14名
    • 総ページ数
      301
    • 出版者
      渓水社
  • [図書] イスラームを知る8四億の少数派2011

    • 著者名/発表者名
      山根聡
    • 総ページ数
      114
    • 出版者
      山川出版社
  • [備考] 多言語資源研究グループWebページ

    • URL

      http://mldb.cep.osaka-u.ac.jp/

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公開日: 2013-06-26  

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