研究課題/領域番号 |
22320120
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
東田 雅博 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50155496)
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研究分担者 |
竹中 亨 大阪大学, 文学研究科, 教授 (90163427)
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80334613)
杉本 淑彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (30179163)
武田 雅哉 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40216908)
宇沢 美子 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (00164533)
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キーワード | エキゾティシズム / オリエンタリズム / オクシデンタリズム / 異文化理解 |
研究概要 |
今年度は、まず金沢において(四校記念文化交流会館、7月、2,3日)研究会を開催した。 まず、橋本順光が「エキゾティシズムとは何か英国の事例」と題して報告した。橋本は英国の風景式庭園の起源に関わるホーレス・ウォルポールの議論やド・クインシーのアヘン幻想、さらにはサクス・ロマナーの『フー・マンチュウ』などにみられるエキゾティシズムの意味と力を「賦活剤」をキー・ワードとして論じた。つぎに、東田雅博が「エキゾティシズムの総合的研究エキゾティシズムの何が問題なのか、何を問題にするのか」と題して報告した。東田はエキゾティシズムと距離との関係、西洋のエキゾティシズムと東洋のエキゾティシズムとの関係、エキゾティシズムと万国博覧会などの世界のモノと人の展示と表象の場との関係などを論じた。その後の議論の中でオリエンタリズムや帝国主義に回収されてしまうことのないエキゾティックなモノの力を各メンバーの課題の中でより具体的に明らかにすべきことが了解された。 これをうけて、秋にメンバー全員でエキゾティシズムを喚起する現場を検証するためにヨーロッパを旅行する予定であったが、科研費が全額支給されない可能性があることを受け、行き先を中国に変更した。中国では西洋のエキゾティシズムのひとつの源泉となった杭州や蘇州の拙政園などの庭園を調査した。また、各メンバーがその課題に応じて海外でエキゾティシズムの影響を受けた現場、あるいはエキゾティシズムを喚起する現場の調査をそれぞれ行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文、著書、研究報告など着実に成果を上げている。
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今後の研究の推進方策 |
エキゾティシズムを肯定的に捉えようとするのが、本研究の基本的課題であるが、そのエキゾティシズムの力をできるだけ具体化するように努めたい。
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