研究課題
昨年度にひきつづき近世大坂を構成する諸社会集団の実態を「法と社会」の方法で解明するとともに、国内外の比較史を進め、これまでの研究成果を総括して今後の課題をさぐるための討論の場を組織した。近世大坂の法史料の基礎的検討のため、【大坂町触を読む会】(三津寺町文書に所収の17世紀前期の町触の輪読)を5回、【大阪府布令を読む会】(小林家文書・慶応4年「御布令」)を3回実施した。多様な諸社会集団・身分集団の実態を検討する小円座3回(今年度はかわた身分・非人身分や芸能者)、日本とイタリアの質屋業・質屋仲間を比較史的に検討する国際小円座1回を開催した。このほか、近世大坂の法と社会に関する史料の調査・収集にも努めた。8月には、本研究の総括にむけて、大坂を中心とした都市内の諸社会集団・身分集団について「法と社会」の視点から包括的に討論する総括円座「近世身分社会の比較史-法と社会の視点からー」を開催した。本円座の内容と、前年度に実施した国際円座「都市における貧困と救済」の一部、さらに関連する論文(比較史・方法・研究史に関する論考を含む)とを、3月に論文集(『近世身分社会の比較史-法と社会の視点から-』清文堂出版)として刊行した。さらに、今後の国際的な比較史研究の発展をめざし、1月には上海大学でシンポジウム「都市社会史の方法と実践-中国と日本の比較を通じて-」を開催し、3月には、比較史の今後のあり方も含めて議論する場として「伝統都市の比較類型史ー日本とフランスの場合ー」を開催した。これらにより、日本近世の諸社会集団を対象に、「法と社会」の視点から研究した成果の蓄積を総括・公表することができ、また国際的な比較史についても着実な成果をあげ、今後の研究発展の基盤を作ることができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)
塚田孝・佐賀朝・八木滋編『近世身分社会の比較史―法と社会の視点から』清文堂出版
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塚田孝・佐賀朝・八木滋編『近世身分社会の比較史―法と社会の視点から』
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佐賀朝・吉田伸之編『シリーズ遊廓社会1 三都と地方都市』吉川弘文館
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