研究課題/領域番号 |
22320133
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
紙屋 敦之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00194978)
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研究分担者 |
大橋 幸泰 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30386544)
木村 直也 産業能率大学, 経営学部, 教授 (50192018)
深谷 克己 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (20063696)
堀 新 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (80296524)
若尾 政希 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (80210855)
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キーワード | 日本史 / 江戸時代 / 海禁体制 / 藩世界 / 対馬 / 琉球 |
研究概要 |
研究課題に迫るため、「海禁」体制と薩摩藩、「海禁」体制とキリシタン取締、「海禁」体制と大名家の相続、「海禁」体制と対馬藩、国家と儀礼、「海禁」体制と大名の官位・家格、西日本における長崎の文化的地位、長崎聞役と藩世界、「海禁」体制と地域民衆の役負担と意識形成など、いくつかの小課題を設定し、役割分担した。それに基づき、九州を中心に西日本諸藩の調査を行った。 2011年8月に鹿児島県鹿児島および宮崎県都城の調査を行った。鹿児島では尚古集成館宛で調査を行い、都城では都城島津伝承館で都城島津家伝来文書を調査した。2012年2月には宮崎県飫肥の調査を行い、飫肥城歴史資料館で飫肥藩および飫肥地域にかかわる伝存文書の調査を行い、あわせて、飫肥城下のフィールドワークを行った。文書調査では、必要に応じてデジタルカメラにより写真撮影して史料を収集した。このほか、対馬歴史民族資料館、熊本大学附属図書館永青文庫・熊本市歴史文書資料室、熊本県立図書館、北九州市立いのちのたび博物館・福岡県立図書館、大分県立図書館・先哲史料館で調査を行い、対馬藩・熊本藩・人吉藩・小倉藩・大分県諸藩に関する史料を、コピー複写やデジタルカメラ撮影等により収集した。そして、前年度に引き続き、これらの調査で収集した史料の講読を行い、国家儀礼、西日本における長崎の文化的地位、外国の学問・文化・情報の受容、「海禁」体制と「家役」意識、長崎聞役と藩世界、家の相続と家格、「海禁」体制とキリシタン取締などについて考察を進め、その成果の一部を研究成果として発表した。また、九州諸大名を中心に19世紀の参勤交代、官位、さらに長崎聞役の行動のデータベース構築作業を継続して進めた。 また、2010年度の調査結果に基づき、『対馬・沖縄調査報告集』(論文・史料紹介等7本収蔵)をまとめ、刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究では、長崎・琉球および14藩中主要な対馬・薩摩・佐賀・福岡藩を中心的に考察していくとした。2011年度までの研究では、琉球、対馬、薩摩の史料調査を行い、「概要」で記した個別問題について考察を進めた。研究小報告会は東日本大震災の影響もあり持つことができなかった。そのため、研究の成果を「報告集」にまとめた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、残っている長崎および佐賀藩・福岡藩についての史料調査を行う予定でいる。時間的な問題もあり、全てについて調査を行なえない場合も考えられ、研究グループが今までに蓄積した成果・資料を援用して、とりあえず補うことも考えている。そして、3年間の成果を「研究報告書」としてまとめる。
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