研究課題
本研究では、藩世界の広がりを、「海禁」体制を素材に、国内にとどまらず、東アジア地域を視野に入れて考察することを目的とした。そして、東アジアと密接な関係がある長崎・佐賀藩・福岡藩(中国・オランダ)、対馬藩(朝鮮)、薩摩藩(琉球)を重点対象とし、①「海禁」体制と西日本諸藩の関わり、②「海禁」体制が藩世界に与えた藩意識のあり様の2点を軸に研究を進めた。如上の研究テーマに接近するため、外国使節である朝鮮通信使の馳走役のあり方、琉球使節と芸能、国家儀礼、西日本における長崎の文化的地位、外国の学問・文化・情報の受容、「海禁」体制と「家役」意識、長崎聞役と藩世界、家の相続と家格、「海禁」体制と地域民衆の役負担と意識形成、「海禁」体制とキリシタン取締などの小課題を設定し、役割分担して考察を行った。2012年8月に、五島および佐賀で調査を行った。五島では五島観光歴史資料館で福江藩に関する文書類の調査を行い、また佐賀では佐賀県立図書館で佐賀藩関係の文書の調査を行い、必要に応じてコピーで史料を収集し、上記小課題を検討した。また、前年度に実施した宮崎調査の成果をまとめ、『宮崎調査報告集』(2012年12月)を作成した。一昨年度・昨年度に続き、九州・四国の諸大名の官位叙任に関するデータベース、九州諸大名の参勤交代に関するデータの構築を進めた。さらに、平戸藩長崎聞役の日記をもとに長崎聞役の活動のあり方のデータベース化を進めた。2010年度以来の3年間の活動成果の一部を、研究成果報告書(冊子)としてまとめ、上記3種のデータベースもそれに収めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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文学
巻: 第13巻第5号 ページ: 192-193
歴史評論
巻: 747 ページ: 550-63
巻: 746 ページ: 19-34
九州史学
巻: 164 ページ: 51-62頁
図書(岩波書店)
巻: 758 ページ: 13-19頁
アジア遊学
巻: 155 ページ: 132-137頁