研究課題/領域番号 |
22320135
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
小田 康徳 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (50169314)
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キーワード | 考古学 / 思想史 / 社会学 / 宗教学 / 日本史 |
研究概要 |
戦中~戦後における納骨堂をめぐる全般的動向に関する史料の収集については、一昨年度において一定の成果を収めたこと、および納骨堂内の骨壺等に関する悉皆調査が思った以上に時間と人手を有することが判明したので、本年度は旧真田山陸軍墓地内納骨堂に安置されている戦没者遺骨(分骨)の悉皆調査、すなわち各分骨の収納容器の形状、およびそこに記載されている各種の記録(戦没者名・戦没地・戦没年月日・本籍・現住所・遺族など)、および遺骨あるいは遺品の状況等を一人一人について写真に記録し、あわせてカード化する作業に力を注いだ。その結果本年度中に全部で8千程度の骨壺のうち、7400件ほどの作業を完了させることができた。また、1万人を超える埋葬人名簿のデータ化作業についてもすべて終了させることができた。一方、前記の戦没者遺骨(分骨)のカードをもとにそのデータ化作業にも一部着手し(約700件)、たとえば、戦没時期が昭和18年後半を迎えるころから、磁器製の骨壼があまり使用されることなく、それに代わって10センチ四方の木箱が増え始める事、遺骨も収納されていないこと、また遺骨の有無に関しても、大陸での死者と南方戦線での死者において顕著な差があることなど、貴重な動向も分かってきた。また戦没者の区分においても興味ある事実の存在が明らかになってきている。要するに、すべてのデータが揃えられたときには、そこから得られる知見には大変貴重なものがあることがいよいよ明確になってきた。次に、このデータを埋葬人名簿と照らし合してみたところ、約半数の符合にとどまっており、この事の意味も考察しなければならなくなってきた。要するに、ようやく事実に基づいて戦没者慰霊の歴史的ありようの研究を行う客観基盤が形成されてきたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
9の欄にも記載したように、最も根幹をなす納骨堂内安置の戦没者遺骨(分骨)等に関する記録化が、その基礎的作業となる写真撮影とカード作成についてほぼ終了に近づいたこと。埋葬人名簿のデータ化作業を終了させたこと。
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今後の研究の推進方策 |
多くの国民に基礎的データを提供するため、最後の課題であるカードからのデータ化作業を本年度には完成させることにまず力を注ぎ、あわせて、戦中~戦後における納骨堂をめぐる全般的状況に関する基礎的研究の推進を図る。 このデータ化作業を完成させるために、必要事項を確定するとともに、記載様式の統一を図り、多数の力を結集できるようにする。また、基礎的なデータである写真とカードの利用についてもその可能性を最大限発揮できる方策を推進する。
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