研究課題/領域番号 |
22320141
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (10222978)
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研究分担者 |
小野寺 史郎 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40511689)
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50346053)
森 時彦 京都大学, 人文科学研究所, 名誉教授 (70027564)
武上 真理子 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70636795)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 中国共産党 / 中国国民党 / 政党文化 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の現地調査、資料調査を通じて得られた諸資料の整理・分析を進めるとともに、政党文化が在地社会において、どのような展開・変容を見せているかについて、海外調査を含めて資料の収集分析に努めた。具体的には、今年度もこの研究課題に関する専門家との討論をすべく、共同研究班「現代中国文化の深層構造」を組織し、研究代表者・研究分担者を中核として隔週の研究会を17回にわたって開催し、合わせてそれら海外調査を通じて得られた諸資料や購入した資料の紹介・分析を進めた。 一方、これまでの毛研究によって得られた知見をまとめ、それらを鋭意英語によって発表することにつとめた。研究代表の石川と分担者の小野寺が6月末にオランダのライデンで行われたIIAS主催の国際学会(「History, Identity & Collective Memory: In Search of Modern China」)で報告した事例、石川が3月下旬にアメリカのサンディエゴで開催された国際学会(「Association for Asian Studies (AAS), Annual Conference 2013」)で報告した事例がそれであり、いずれも大きな反響と好評を得た。 このほか、本研究課題の成果の一部を中国語で公開すべく、小野寺の研究成果(『国旗・国歌・国慶――ナショナリズムとシンボルの中国近代史』)の中国語翻訳を進めた。。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であった政党文化の中国における生成と展開について、充分な資料収集にもとづき、定期的に分析のための研究会合を持つことに成功している。また、研究成果を逐次、英語・中国語によって公表することにより、「政党文化」という視座によって中国近現代史を検討する新たなアプローチを内外に発信することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進にあたっては、フィールドワークによる資料調査にはいちおうの目途がつけられたので、収集した文字資料の分析が中心となろう。分析にあたっては、中国共産党を専門とする石川の作業だけでは不十分なので、研究分担者の協力はもちろんのこと、共同研究班を継続開催していくことにより、総合的な視点から中国文化の中に「政党文化」を定位させることが必要となろう。最終年度を迎える本課題は、その成果を内外に向けて積極的に発信し、それによってより多くの研究者との対話・討議を行わなければならない。最終年度となる平成25年度においては、京都大学現代中国研究拠点と協力しながら、12月の国際シンポジウム(「人民共和国史――今どこまで解明されるのか」)、およびそれと並行して開催される「1950年代の中国研究」と題するワークショップで、本研究の成果の一端を報告し、この分野の研究を狭い意味の「党史研究」から脱皮させる予定である。これによって、本研究は「政党文化史」という新たなディシプリンを確立させることにつながるであろう。
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