研究課題/領域番号 |
22320142
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐川 英治 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (00343286)
|
研究分担者 |
陳 力 阪南大学, 国除法コミュニケーション学部, 教授 (50299020)
塩沢 裕仁 財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (70414076)
松下 憲一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教 (60344537)
小尾 孝夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 助手 (90526675)
|
キーワード | 中国史 / 古代史 / フィールドワーク / 地理空間情報 / 都城史 / 思想史 |
研究概要 |
本年度は調査と研究の両面でほぼ期待通りの成果を得ることができた。まず調査の面では、フフホトを起点として内モンゴルの大青山一帯の調査をおこない、新しくなった内蒙古博物院と盛楽博物館で展示品の調査をおこなった。野外では、大青山南麓で三城址、北麓で四城址の北魏城址を踏査し、報告書では知り得ない多くの知見を得た。また内蒙古大学蒙古学院の研究者をはじめ、多くの現地研究者と面識を得ることができた。次ぎに南京の調査では、南京大学の張学鋒教授の協力の下、南京市博物館や南京博物院の展示品や収蔵品の調査、墓葬や宮城建築、礼制建築の現地調査をおこない、いまだ現地でしか知り得ない多くの情報を得ることができた。特に建康城については、従来、宮城の所在地や平面プランについての考古学的な資料は非常に乏しかったが、最近の都市の再開発にともなって大きな成果を生むようになった考古学的な調査の現状を知ることができたのは大きな収穫であった。さらに陳力は、豊県、沛県、徐州など華中地域の漢代城市遺跡を調査し、現地に残る伝説や民話の収集をおこなうなどして漢代長安城の民俗学的な研究の見通しを得つつある。研究面では、佐川が上海で開かれた「中古時代的礼儀、宗教与制度国際学術検討会」や東京で開かれた「洛陽学国際シンポジウム」で漢代から唐代までの都城史を中軸線の発展からみる新しい視点で整理し、その成果の一部を「中国古代の都城の空間」(『文化交流研究』24号)などの論文にした。その他、塩沢、小尾も学会報告や論文などの成果を生んでいる。
|