研究課題
本研究の最終年度あたる平成24年度は、三度の研究会合(2012年7月1日於東京、2012年12月22日・23日於静岡、2013年3月24日於大阪)を通じて、研究分担者・連携研究者が進めてきたヨーロッパ各地域における国家編成の特徴に関する研究成果を共有し、各々の実証的見地から近世ヨーロッパに独特な政治秩序を総括した。本研究は平成23年度に「地域と地域とを結びつける統合の方法と論理」に着目して各々の複合的国家編成を比較する方向性を定めたが、その成果として、(1)王位継承や戦争・内乱など、各地域固有の情勢を背景として立ち現れる普遍的な秩序観や君主観の存在や、(2)そうした観念に基礎づけながら実践された統治権力と服属関係の交渉過程、(3)その結果としての地域間の結合関係の多様性を明らかにした。近世ヨーロッパの政治社会において普遍的な秩序観や君主観を脊柱としながら複数の地域が集塊する国家の輪郭を、本研究は様々な形質をもった礫が固結してできる「礫岩」という地質学用語に準えて「礫岩国家」と結論し、その成果を2013年5月に京都大学で開催される日本西洋史学会の小シンポジウムで披瀝する。本研究は、従来の国制史の成果に概念史の知見を融合して各地域の国家編成の礫岩的状況を比較したが、このような経験から本研究はヨーロッパを越えてアジアやアメリカにおける国家編成を比較可能な視座を得ており、その実現を今後の課題として本研究の幕を閉じることとする。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件) 備考 (1件)
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