研究課題
研究初年度に当たる本年度の活動は、全体的な研究枠組みの精緻化と、個別研究の情報収集、研究動向の把握が主眼とするものであった。このうち前者については、1回の合宿を含めワークショップを計7回開催し、本研究の出発点となったN.エリアスの文明化論や暴力の概念史の再読・輪読をはじめ、各メンバーによる暴力をめぐる近年の注目すべき研究の書評的紹介などを精力的に行った。また、外部ゲストの招聘も行い、政治哲学の萱野稔人氏の講演は、暴力論の学際性を確認するとともに、自らの立ち位置についても再検討する機会となった。他方、年度末の予定されていたドイツ・フンボルト大学教授イェルク・バベロフスキ氏の講演は、残念ながら来日直後に起こった東日本大震災のため、中止せざるを得なかったが、同氏とはすでに以前からドイツにおいて数名の分担者が面談するなど交流をもっており、また事前に送られてきた講演原稿も科研メンバー全員の分担により訳出され、来年度学術雑誌に掲載が予定されている。バベロフスキ氏は今後とも研究協力者として全面的なバックアップを約していただいており、本科研としても引き続き意見交換の場をもちたいと考えている。個別研究については、夏季の合宿時に全員が研究動向と自分のアプローチにかんする報告を行う一方、メンバー2名がドイツに赴き、資料調査、収集にあたった。その分析、成果については、2011年度の活動の中心となる個別研究の中間報告において提示されることになっている。こうした初年度の全体的、個別的な活動の成果をもとに、現在、2011年9月に予定されているドイツ現代史学会での本科研主催によるシンポジウム「近現代ドイツにおける暴力」(仮題)の準備に当たっているところである。
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