当該研究の最終年度に当たり、これまでの復元実験の成果を検討し、木原明(国選定保存技術保持者<玉鋼製造>)との意見交換を実施した。その検討成果を受け、2014年10月、岡山県新見市備中国たたら伝承会実験場において製鉄炉(愛媛大学20号炉)を復元し、銑鉄生産を目的とした操業実験を行った。製鉄生産炉の要が、送風孔の角度・高さ、炉床の堅さであることを反映した最終の実験では、当初の目的である銑鉄を炉外に連続して生産することができた。送風孔の高さをさらに調節すればさらに生産効率があることが判明した。しかし製鉄遺跡の情報から復元した炉で銑押し技術を復元するという当初の目的は達成できた。
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