A「2王並立の最大の根拠である倭国王墓に2系列がある点の確定」については、【A-1】の倭国王墓の検討に比重を置いた。<A-1-2>歴代の倭国王墓の陵墓図をデジタルとレースする作業を進めた。初代倭国王卑弥呼墓である箸墓古墳から5世紀の岡ミサンザイ古墳までイラストレーターでトレースした。<A-1-3>同時に墳丘復元を実施した。これらを完成させ3D化する予定。<A-1-1>倭国王墓のうち測量図の未整備な津堂城山古墳について、レーザー測量を実施した。平成22年度の計測データをもとに、今後、加工し図化を完成させる。<A-1-4>2系列の存在を確かなものにするための鍵となる倭国王墓の検討として、佐紀の五社神古墳について分析を行った。<A-1-5>倭国王墓で副葬品などがわかるものとして、佐紀古墳群および津堂城山古墳について資料収集した。 【A-2】の相似墳の検討では、<A-2-2>松岳山古墳について測量調査を実施した。平成23年度から発掘調査に着手する。<A-2-3>相似墳の探索では五社神古墳について類例を収集した。 B「倭国王墓の被葬者の特定」については、【B-1】の古墳時代中期の年代決定のため、<B-1-2>韓国に渡航し、4~5世紀の韓国側の年代観について資料収集と意見交換を行った。<B-1-1>倭国側の年代決定においては、中期(5世紀)そのものについて新たな検討はできなかったが、後期(6世紀)の年代について、横穴式石室について研究を進めた。【B-2】記紀からみた倭国王の在位年代については、<B-1-1>に連動して後期について整理した。
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