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2012 年度 実績報告書

完新世の気候変動と縄紋文化の変化

研究課題

研究課題/領域番号 22320162
研究機関東北芸術工科大学

研究代表者

安齋 正人  東北芸術工科大学, 東北文化研究センター, 教授 (60114360)

研究分担者 福田 正宏  東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (20431877)
國木田 大  東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (00549561)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード縄紋文化 / 気候変動 / 生態系史 / 東北アジア / 日本列島
研究概要

テーマ(1)(グローバルな気候変動と縄紋時代の変化、および地域的な生態系と縄紋文化の地域性との関連)、テーマ(2)(東北アジアの新石器文化と日本列島の縄紋文化との比較)において、応用(個別)研究を行った。今年度は、テーマ(1)に焦点を絞り、完新世の寒冷化イベントのなかでも、4.3kaイベント(縄紋中期/後期移行期)、2.8kaイベント(縄文晩期中葉)に注目した調査・研究を進めた。今年度の具体的な研究内容とその成果は、以下の通りである。
(1)国内発掘調査と発掘調査成果の分析・研究:7月、月布川流域に位置する山形県大江町長畑遺跡において、前年度の調査成果をもとに第2次発掘調査を実施した。調査の結果、晩期中葉・大洞C1式期の土器、剥片石器、石棒等が集積した遺構(第1号土器塚)が1基検出された。7~3月に調査成果の整理・分析作業を進め、成果の概要について学会で発表した。予想外に得られたデータが多かったため、次年度に行う研究成果の取りまとめに向け、整理・分析作業を継続中である。
(2)研究集会の開催:7月14・15日に東北芸術工科大学で、シンポジウム「東北地方における中期/後期移行期変動期」を開催し、4.3ka寒冷化イベントに関連して東北地方で起こったと考えられる考古学的現象、資源利用の変化に関し、最新情報の共有と問題点の整理とを行った。年度当初に予定していた早稲田大学における同時期を扱うシンポジウムは、研究推進上の都合により次年度に繰り越して、実施することにした。その代わり、次年度に開催を計画していた2.8ka寒冷化イベントに関する研究会「縄文から弥生へ」を、12月22・23日に東北芸術工科大学で開催し、研究の現状と課題について意見交換を行った。
(3)国内資料・補足調査:本研究で注目する8.2ka、4,3ka、2.8kaの気候変動期に関連する早期、中期/後期移行期、晩期中葉~後葉の遺跡の踏査と既存資料の室内調査・分析を行った。また、研究総括にむけた議論のなかで必要性が生じた沖縄における先史遺跡調査と民族考古学調査を、補足的に行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度はテーマ(1)に焦点を絞り調査研究を実施し、ほぼ計画通り、すべての項目を達成することができた。国内発掘調査は予定通り実施することができ、現在、その調査成果の整理・分析を進めている。本研究推進上の軸となる研究集会の開催にあたり、計画を一部変更したが、その代わりに、補足調査と次年度に計画していた項目とを実施することができたため、今年度は当初の計画以上に進展したといえる。

今後の研究の推進方策

次年度は研究最終年度となり、研究の推進とともに総括を行う。本研究申請時に計画していた、テーマ(1)における、8.2ka、4.3ka、2.8kaという縄紋時代の三つの変動期に関する調査研究を、これまで個別に進めてきた。ただし今年度は、4.3kaの縄紋中期/後期移行期に関する議論を深めるシンポジウムを実施できていないので、次年度に開催する。次年度は、本研究の成果報告書を最終的に刊行する。前年度と今年度に実施した発掘調査の成果が予想を超えて豊富で、整理・分析に手間取っているため、取りまとめを急ぎ、この報告書内で全ての成果を公開しなくてはならない。テーマ(2)に関する調査は前年度までにほぼ完了しているので、次年度に結果の整理・補足作業、テーマ(1)による成果との比較・総合化を行わなければならない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 縄紋時代早期論(下)2013

    • 著者名/発表者名
      安斎正人
    • 雑誌名

      東北芸術工科大学東北文化研究センター研究紀要

      巻: 12 ページ: 3-31

  • [雑誌論文] 遺跡における層序の年代決定2012

    • 著者名/発表者名
      國木田大
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 632 ページ: 15-19

  • [学会発表] 山形県大江町長畑遺跡の調査2013

    • 著者名/発表者名
      西村広経, 福田正宏, 大澤正吾, 林正之, 垣内彰悟, 安室一, 高鹿哲大, 中門亮太, 冨樫那美, 安斎正人
    • 学会等名
      第14回北アジア調査研究報告会
    • 発表場所
      石川県立歴史博物館
    • 年月日
      2013-02-09
  • [学会発表] 三十稲場式土器の年代と食性分析2012

    • 著者名/発表者名
      國木田大
    • 学会等名
      津南シンポジウムVIII 三十稲場式土器文化の世界
    • 発表場所
      津南町濃と縄文の体験実習館
    • 年月日
      2012-10-13
  • [図書] 気候変動の考古学2012

    • 著者名/発表者名
      安斎正人
    • 総ページ数
      188
    • 出版者
      同成社

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公開日: 2014-07-16   更新日: 2017-10-16  

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