研究課題/領域番号 |
22320166
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
中山 誠二 山梨県立博物館, 学芸課, 学芸課長 (60574142)
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研究分担者 |
外山 秀一 皇學館大学, 文学部, 教授 (50247756)
庄田 慎矢 奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50566940)
網倉 邦生 山梨県立博物館, 学芸課, 学芸員 (90574153)
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キーワード | 植物圧痕分析 / プラント・オパール分析 / 石器使用痕分析 / 韓国内の分析資料の編年確認 / 国内調査 / 韓国内調査 |
研究概要 |
国内調査としては、7月~3月にかけて山梨県、長野県内を中心とした植物圧痕土器の選定、圧痕土器の写真撮影、実体顕微鏡による圧痕写真撮影、圧痕土器の拓本図面作成、レプリカ作成、レプリカの走査電子顕微鏡(SEM)観察を行った。また、12月には山梨県内の縄文時代、弥生時代などの石器の使用痕調査を実施した。その結果、縄文時代早期後半において、野生ツルマメの圧痕が観察され、ダイズ属のマメ利用がその時期まで遡ることが明らかにされた。また、縄文時代中期中葉から後葉にかけて、栽培ダイズ及びアズキが安定的に検出されることが再確認された。特にダイズ属については時代が新しくなるにつれ大形化の傾向を示す。石器の使用痕分析では、弥生時代~古墳時代の収穫具を対象として分析を行った結果、使用痕の有無や分布が明らかになった。 韓国調査としては、7月24日~29日に国立清州博物館、ウリ文化財研究院、慶南発展研究院、国立ソウル大学、円光大学、中部考古学研究所、漢江文化財研究院を訪問し、韓国内の研究協力依頼および予備調査を行なった。これを踏まえ、8月24日~28日にウリ文化財研究院・慶南発展研究院において、韓国新石器時代の新安遺跡、サルレ遺跡の植物圧痕、プラント・オパール分析、石器使用痕分析を行なった。サルレ遺跡の圧痕分析では、新石器時代前期のイネ科、マメ科の植物が確認された。また、同遺跡のプラント・オパール分析では、同時期のキビ属型の植物が高い頻度で認められている。石器の分析では、サルレ遺跡や也音洞遺跡など新石器~青銅器時代の資料を対象として使用痕分析を実施した結果、該期における収穫関連石器の様相が把握できた。
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