研究課題/領域番号 |
22320166
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
中山 誠二 山梨県立博物館, 学芸課, 学芸課長 (60574142)
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研究分担者 |
外山 秀一 皇學館大学, 文学部, 教授 (50247756)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 研究員 (50566940)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 植物圧痕分析 / プラント・オパール分析 / 石器使用痕分析 / 日韓の編年対比 / 日韓の栽培植物 / 日韓の穀物起源 / 農耕技術 |
研究概要 |
本年度は、過去3年間において行った各分野における分析の整理を行った。また、これまでの調査成果を公開するため、8月に山梨県立博物館において日韓国際シンポジウム「日韓における穀物栽培の開始と農耕技術」を開催し、日韓における栽培植物や農耕の起源に関する討論を行った。 日本国内で縄文時代から弥生時代の37遺跡の圧痕調査を実施してきた。その結果、縄文時代早期段階から野生のダイズ属、前期段階からシソ属などの利用が開始され、縄文時代中期には、ダイズ、アズキ、シソ属の栽培植物がセットとなって広範に利用されている実態が浮かび上がってきた。さらに、中部地方では縄文時代晩期終末に位置づけられてきた浮線文土器段階に、アワとキビの種実圧痕の痕跡が色濃く認められ、これらの小粒穀物が中部高地に伝播、拡散している事実が明らかになった。その直後の弥生時代前期末葉以降、イネが加わり、アワ、キビとともに利用されていることも判明した。 一方、韓国内では韓半島中部の西海岸から内陸地域に至る8遺跡の圧痕調査を行った。その結果、新石器時代中期には、アワ、キビ農耕が韓半島内陸地域にまで安定的に広がっていることが理解された。この時期のシソ属の検出は、これらの植物の起源問題にも関わる注目すべき問題となる。青銅器時代前期では、アワ、キビなどの穀物にイネが加わり、水稲農耕と畠作農耕の両者が複合的な農耕を形成している事実も把握された。これらが紀元前1千年紀に日本列島に一挙に波及したことも、本科研の調査研究で明確に捉えられるようになった。 本研究を通じて、日韓両地域の栽培植物ならびに穀物の起源と波及、栽培形態に関する情報が蓄積されたことが、大きな成果と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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