研究課題/領域番号 |
22320173
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
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研究分担者 |
周 星 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00329591)
徳丸 亜木 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90241752)
小長谷 英代 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (60300472)
加藤 幸治 東北学院大学, 文学部, 准教授 (30551775)
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キーワード | 民俗学 / 公共民俗学 / Public Folklore / 文化遺産 / 博物館 / 自治体史 / 文化財保護 / 文化政策 |
研究概要 |
本研究は、「公共民俗学」という新しい民俗学の方向性を、日本において創成することを目的としている。本年度はこの目的に鑑み、公共民俗学の生成と深化に不可欠な重要課題に関しフィールドワーク等の個別研究を行った。さらに、各メンバーの個別研究を統合し、本研究の成果を発信するために、本研究メンバー以外の研究者も参加する「公共民俗学研究会」を組織し、日本民俗学会などの学術団体と共同で、昨年に引き続き下記の公開ワークショップを開催し、公共民俗学の理論や論点を広く学界に提供した。 ○第4回ワークショップ「『公共民俗学』というアリーナ-アメリカ民俗学の社会実験-」(2011年6月25日) 小長谷英代(長崎県立大学)「アメリカ民俗学者の位置性-理論、実践、ポリティクス-」 橋本裕之(盛岡大学)「アメリカ民俗学におけるパブリック・フォークロアの実践-主体・経験・ジャンル-」 ○第5回ワークショップ「公共民俗学とはなにか-社会における知的実践のかたち-」(2011年9月10日:日本民俗学会との共催) Robert Baron(New York State Council on the Arts)"American Public folklore:Issues,Practices and Prospects" 菅豊(東京大学)「公共民俗学-社会における民俗学の再定置-」 吉村亜弥子(University of Wisconsin)「ウィスコンシン州の公共民俗学実践とその教育」 ○第6回ワークショップ「日本における公共民俗学の方向性-その理論と実践-」(2012年2月11日) 山泰幸(関西学院大学)「民俗学はまちづくりにいかに関わり得るか-徳島県での実践から-」 川森博司(神戸女子大学)「当事者の声と公共性-民俗誌の境界を交渉する-」 さらにメンバーは、国内外の学会で公共民俗学に関する知見を収集するとともに、成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究により、世界的に重要な潮流となっている公共民俗学の理論や具体的な実践例が日本に紹介され、従来、その方面で立ち後れていた日本民俗学に新しい分野を開拓することに成功したため。また、その成果が、計画以上に、アメリカや中国など公共民俗学の議論が先行している海外学界へも口頭発表や論文発表によって発信され、従来の日本民俗学の弱点であった国際的な議論のプラットフォームが形成されつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度である平成24年度も、これまでと同じく公共民俗学の生成と深化に不可欠な重要課題に関し、各メンバーがフィールドワーク、文献研究等の個別研究を行う。さらに、その個別研究を統合し、その成果を広く学界や社会に発信するために、他の学術団体と共同で公開のワークショップを開催する。また、公共民俗学に関する国際的な議論のプラットフォームを強化するため、アメリカや中国などの学会・国際シンポジウム等で成果発表を行う予定である。
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