研究課題/領域番号 |
22320178
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
常光 徹 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (40321541)
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研究分担者 |
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (60241452)
青木 隆浩 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (70353373)
岩淵 令治 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (90300681)
神野 由紀 関東学院大学, 人間環境学部, 准教授 (80350560)
柴崎 茂光 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (90345190)
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キーワード | 消費 / 歴史 / 民俗 / デパート / 観光 / 自然 / 生活 / 景観 |
研究概要 |
A班ではまず、長野県須坂市の田中本家博物館において、引き続き文書資料の撮影とスキャニング,モノ資料の撮影と計測と目録の作成を行い、電子データにして情報を共有化した。さらに、他の百貨店やスーパーとの比較分析のため、各社のPR誌やカタログ、社史、絵葉書を収集、分析をした。さらに三越と並んで、西洋文化を紹介し、新たな消費生活のあり方を提言したのが資生堂である。当初、西洋文化導入の担い手だった資生堂が、1970年代から和の要素を取り入れていった歴史は、日本の消費文化を考えるうえで重要であり、同業者であるカネボウ、コーセー、花王、ライオンなどの資料をも収集・整理し、比較分析の材料とした。 さらに昭和以降、消費に占める女性の役割が大きくなるため、その潮流を形成した婦人向け雑誌や化粧品・トイレタリー用品・ファッション関連の会社社史、社内報などを収集し、来年度に行う誌面分析の準備をした。 B班ではまず,屋久島の観光業について継続的に現地調査を行い、林業の隆盛によって形成された集落の廃村化の経緯と現状を重点的に把握した。また,白神山地では、世界遺産登録以前におけるマタギの狩猟採集活動を調査し、古写真を手がかりにかつての景観と現在の観光された姿を比較考察した。 炭鉱業を中心とした近代化遺産については、景観や生活が劇的に変化し、昭和30~40年代の状況の復元が困難になっている。そこで、比較的資料が多く残っている福岡県宮若市の貝島炭鉱を中心として、炭鉱があったころの生活との文化の復元に重点を置いた。 戦跡関連の資料は昨年度集中的に収集したためか、今年度はあまり良い資料を見つけられなかった。だが、本土復帰前後の沖縄観光に関する資料は本研究会にとって極めて重要であるため、今後も収集と分析に努めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A班については、分析の基礎となる、資料の調査収集がすすんでおり、さらに分析にも着手している。またB班も前年度以来の現地調査や資料収集の蓄積によって、課題の検討とさらなる問題の発見もしている。以上の点から、これらは研究の進展による成果と考えられるからである。
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今後の研究の推進方策 |
継続して資料調査や現地調査を進めるとともに、収集した資料の紙面分析とフィールドデータの統合を行い、研究の総括をはかる。
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