研究課題/領域番号 |
22330003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三阪 佳弘 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (30219612)
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研究分担者 |
田中 仁 大阪大学, 法学研究科, 教授 (60171790)
三成 賢次 大阪大学, 法学研究科, 教授 (90181932)
中尾 敏充 大阪大学, 法学研究科, 教授 (30155668)
林 智良 大阪大学, 法学研究科, 教授 (90258195)
竹中 浩 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00171661)
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キーワード | 公文書 / 公文書管理法 / アーカイブズ / 情報公開法 / アーキビスト / 比較法政史 / 史料学 / 公文書館 |
研究概要 |
昨年度から(1)19世紀以降現在に至る各国の公文書法制の歴史的展開を綿密に分析検討するために関係文献・資料を包括的に収集・整理し、かつ(2)その実態について実地調査するという基礎作業を継続した。 成果として、(1)については、北米(アメリカ・カナダ)、イタリア、台湾、ドイツ、韓国、ロシア、中国について、順次研究分担者ないしは外部専門家による公文書管理法制の歴史的概観と現状についての研究報告を得ることができた。また、司法関係公文書に関しては、大阪地方裁判所・大阪地方検察庁における昭和戦前期の刑事裁判文書の調査、京都弁護士会における明治末から昭和戦前の会務文書の保存状況の実地調査を行うことができた。昨年度共同調査した中華民国については、関係諸機関のインタビュー記録および今年度実施した総統府関係文書の管理機関である国史館館長のレクチャー記録のテキスト化、さらには公文書関連法制の日本語訳を完了した。 (2)については、現代欧米の事例研究として、研究分担者によるイギリスの海外調査、アジアとの比較調査として、大韓民国について本研究グループメンバーによる共同調査を行った。同国の公文書管理に関しては、情報文書学専門家による韓国記録管理史のレクチャー、現在の公文書管理の中枢機関である国家記録館・大統領記録館の視察、ソウル大学校奎章閣韓国学研究院における朝鮮王朝時代の公文書を中心とした歴史的文書の記録保存管理の視察を通じて、新たな知見を得ることができるとともに、過去の公文書としての歴史的文書の管理保存のあり方についての視点を得ることができた。これらは、公文書管理の法文化・政治文化として歴史的状況を同じくするアジア諸国の実践例として、日本の現状を比較検討する上で、非常に有益な示唆を与えるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
19世紀以降現在に至る各国の公文書法制の歴史的展開を綿密に分析検討するための関係文献・資料の収集・整理を前提にした各研究分担者による調査結果報告が順当に進められ、かつ、欧米とともに東アジアの最新の実態についてグループによる共同調査を進めることができた。。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトについて立ち上げた研究成果に関するWEBサイトを共同研究の基盤として効果的に利用するために、2年間の調査の結果得た海外調査等のヒアリング資料、各国関係法制の邦語訳、各担当分野・国についての報告書な-どの関連資料を系統的に蓄積していくことが必要である。それをもとに、研究成果の土台となるディスカッションペーパーの形で、それぞれの担当分野・国の調査をまとめていく作業を進める。
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