研究課題/領域番号 |
22330013
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
首藤 重幸 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00135097)
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研究分担者 |
岡田 正則 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (40203997)
田村 達久 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60304242)
杉原 丈史 愛知学院大学, 法学部, 准教授 (10287930)
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キーワード | ドイツ経済行政法 / 経済規制と情報 / ドイツの民営 / ドイツ民営化の憲法的正当性 / 経済行政法の体系 |
研究概要 |
研究初年度の研究作業として、まず、ドイツの経済行政法のテキストを4冊ほど選択して、その体系構成の考え方についての検討をおこなうともに、経済行政法のなかの重要な検討項目については、当該ドイツ文献の翻訳作業をおこなった。このなかで、経済規制の研究に、基礎理論としての「経済規制と情報」という項目が必要であることは、これまで気づいていなかったことであった。いずれにせよ、ドイツの経済行政法において検討項目としてあげられる項目を抽出し、これを日本での検討項目とすることの意義と限界をさぐる作業は、本研究の出発点と研究の方向性を決めるうえで、貴重な作業となった。 ついで、これまでの本研究に参加する個々の研究メンバーの経済規制に関する研究成果を収めた『経済行政法の理論』(日本評論社)が2010年に刊行されたことから、その個別の論考についての検討会を合宿研究という方法で集中的におこなった。この検討会は、本研究テーマに関する研究会参加メンバーの研究方法論の差異を顕在化させることによって、研究方法の再度の吟味と、それらの統一化を考えてゆくうえで、大きな意味をもつものであった。 この間の行政改革を、その最初の時から行政法の観点でもって観察・検討し続けてきた研究者の講演会を実施したが、報告者からは、本研究をすすめるうえで、人権論との「かみあわせ」をさらに強化するべきであるとの助言を得た。さらに、ドイツの行政改革を憲法学の視点から検討し続けてきた研究者の講演会も非常に刺激的であり、行政改革・民営化の正当性をめぐる、英米流とは異なるドイツの理論は、本研究の今後の研究方法を修正させる内容を有していた。
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