研究課題
飲酒運転は、交通道徳に悖るとともに、歩行者、運転者らの傷害、更には死亡といった重大な結果を惹起しうる危険な行為である。この行為を行った者(違反者。有罪判決が確定すると犯罪者となるべき者)に制裁を加えつつ、将来の同種行為を抑止するために、法律(道路交通法、刑法)は所定の規定を整備しているが、従来、その実効性が多角的に検証されてはこなかった。そこで、本研究では、飲酒運転の背景を、法社会学、法と心理学、医学の知見も踏まえて検討した。その結果、飲酒運転を防止するには、①違反者に飲酒運転の悪質性、重大性を十分に理解させ、将来、同種の運転をしない意識を涵養させること、②こうした内面形成のためには、違反者に、課されるべき制裁(刑罰を含む)の意義をも十分に理解させる必要があること、③以上の目的達成のために、先ずは、飲酒運転を繰り返した者(最も危険な行為者群)を念頭におき、その悪弊の除去に資する医学、心理学的プログラムの導入が望ましいことが確認された。この種のプログラムは、海外では活発に利用されており、日本でも同種の制度が有効と思われる場面が認められる。そこで、今後は、その導入に向けた研究を続けることが要請される。例えば、アメリカ合衆国で活用されているDWI Courtは、アルコール依存症が見られる犯罪者の社会復帰に向けた一種のリハビリ施設として機能しており、飲酒運転の再犯防止にも大きな成果を上げている。日本にDWI Courtをそのまま導入することはできないが、そこでの取り組みの要点(対象者のアルコール依存症の治癒に特化した施策の実施等)には、参考にすべき点が多く、今後とも検討を加えていく予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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