研究課題
本研究は、平成17年制定の会社法が経済社会にもたらした影響について、法学者と経済学者の共同研究によって明らかにすることを目指すものである。本年度は、2ヶ月に1回程度の定例研究会および年1回の合宿(於南山大学)を開催し、研究分担者、連携研究者らが自己の研究について報告し、討議を行うことを中心として、研究を進めた。また、平成24年12月に公表された「会社法制の見直しに関する要綱」に基づき平成26年中に成立予定の改正会社法についても検討を行った。具体的な研究成果としては、家田による4本の業績 は、平成17年会社法による規制の変更(閲覧等請求の拒絶事由の創設等)が大きな議論を呼んだ株主名簿に関する規律について、判例を中心とした研究を行い、田中(濫用的会社分割に関するもの)は、平成17年会社法のもとで多発した濫用的会社分割と、それに対応するための改正会社法の規律について分析している。さらに、本研究を進める過程で、会社法の諸規定にとどまらず、わが国の企業統治(コーポレート・ガバナンス)の現状と課題についても、研究メンバーの関心は向けられるようになった。田中(株式保有構造に関するもの) と松中の業績は、その観点からの研究の成果であり、前者は、株式保有の分散化した上場会社における企業統治の課題について、後者は、経営者の選任・解任と経営評価を中心とする取締役会の果たすべき機能について、それぞれ、実証研究を踏まえた分析を行っている。また、昨年度同様、本年度においても、企業活動に影響を及ぼす会社法制以外の関連法制についても研究を行った。加賀見の河野俊行との共著の業績は、国際私法の統一に関する理論的分析であり、また加賀見の単独業績は、独禁法の優越的地位濫用に対する規制について、手続的側面を重視して経済的な分析を行うものであり、その分析手法は、会社法・金商法にも応用しうるものである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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法律時報
巻: 86巻 3号 ページ: 36-41
Japanese Yearbook of International Law
巻: 56 ページ: 314-337
公正取引
巻: 757巻 ページ: 23-29
旬刊商事法務
巻: 2007 ページ: 30-41