研究課題/領域番号 |
22330034
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山本 研 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90289661)
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研究分担者 |
山本 和彦 一橋大学, 法学研究科, 教授 (40174784)
藤本 利一 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (60273869)
近藤 隆司 明治学院大学, 法学部, 教授 (30285960)
上江洲 純子 沖縄国際大学, 法学部, 准教授 (60389608)
田中 亘 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (00282533)
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キーワード | 民事法学 / 倒産法 / 民事再生法 / 民事再生事件 / 記録調査 / 実証的研究 / 計量分析 / フィージビリティ |
研究概要 |
民事再生法の施行後10年が経過し、この間、優れた民事再生実務と理論の蓄積がみられたところであるが、これまでは理論研究者の手による民事再生実務の実証的研究はほとんどなされていない状況にあった。そこで、同法の施行10年を契機として、同法の運用状況について客観的に調査を行い、もって立法成果の確認を行うとともに、さらなる実務運用の改善に貢献する理論的研究の基礎資料とするため、最高裁判所事務総局民事局および各地方裁判所の協力を得て民事再生実務に関する記録調査を実施した。 研究期間2年目の平成23年度においては、分析対象とすべきデータを収集するため、大阪地裁(平成23年8月8日~12日)、東京地裁(平成23年9月12日~16日)、および、仙台地裁(平成24年3月12日~15日)にて、民事再生事件の記録調査を実施した。その結果、大阪地裁100件、東京地裁110件、仙台地裁59件(調査対象事件全件)の事件記録につき、研究期間1年目に作成した調査フォーマットへの入力を行い、データ化を完了した。その上で、調査対象となる各地裁における記録調査が全て終了した平成24年3月に、データ管理担当者が合宿を実施し、今後の分析に備えデータの集計・整理を完了した. 以上の作業と並行して、調査データの予備的分析に着手し、調整会・検討会・全体会合を適宜開催することにより、今後の分析方針、研究成果の公表方法について検討を進めめ、分析の項日立てと分析担当者を確定するに至った(平成23年12月)。その後、各分析担当者が、まずは那覇地裁・大阪地裁・東京地裁において収集したデータの中間的な分析に着手している段階である(平成24年3月現在)。また、研究成果の公表についても法律雑誌に連載形式で掲載することにつき、出版社と調整を進め、全15回程度の連載とすることにつき内諾を得るに至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大阪地裁、東京地裁、仙台地裁における記録調査を予定通り実施し、おおむね予定していた件数の事件記録の入力が完了するとともに(ただし、仙台地裁においては裁判所側の事情により、当初予定していたより調査対象事件数が12件減少している)、収集したデータの分析項目、分析担当者が決定し、各担当者が中間的な分析に着手していることから、現時点においてはおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、おおむね予定通り研究が進行しており、すでに調査対象データの収集が完了している。ただし、実地調査における入力段階において、判断留保として入力したデータが一部存在しており、補充調査を実施することにより対応することもあり得る。今後は、データ管理担当者が集計・整理したデータを一元的な検討対象とし、各粗当者が分析を進めていくことになる。具体的には、平成24年5月までに各担当者が予備的な検討を完了し、全体会合を開催し、その後の本格的な分析に向けての調整・摺り合わせを行う。その上で、適宜研究会を開催しながら分析を進め、平成24年11月頃~平成25年8月頃にかけて、法律雑誌に連載形式で研究成果を公表していくことを予定している、
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