研究課題/領域番号 |
22330035
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
淡路 剛久 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90062653)
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研究分担者 |
大塚 直 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90143346)
浦川 道太郎 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063792)
内田 勝一 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (10063794)
後藤 巻則 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (20255045)
柴崎 暁 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50261673)
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キーワード | 民事責任の進展 / 制裁 / 差止請求 / 環境 / 安全性 / 取引の公正性 / 消費者 / 商事法 |
研究概要 |
本研究グループは、民事責任(不法行為責任、契約責任)法の機能の拡大と変容に関する総合的・比較法的研究につき、(1)民事責任の制裁的側面、(2)差止請求の役割、(3)安全性の保護、(4)取引の公正性、(5)消費者法と民事責任、(6)商事法と民事責任の観点から検討を進めている。これまでの進行状況を記すと、(1)では、権利保障の拡大の反面、制裁的損害賠償や私訴制度などに見られるような私人が担い手となって発動される不法行為の抑止のための制裁制度が活用されるべきかについて、比較法を中心に検討を進めている。(2)では、特に環境法の分野において、差止請求を容認する法制度の比較研究を進めている。(3)では、生命・身体の安全性、人格的利益等の法益の保護制度について検討を進めている。(4)では、経済法分野における取引の公正性の問題を中心に検討し、引き続き他の法領域を含めた取引の公正性につき検討を進める。(5)では、契約締結過程や契約内容に関するわが国の法制度や判例の進展を検討し、諸外国との比較に着手した。(6)では、各部会での研究活動に重点をおいて、具体的テーマごとに計画を実行した。 海外研究者を招いての国際シンポジウムとしては、当初計画では、大型の国際シンポジウムを開催する予定であったが、東日本大震災などの事情があり、困難となったので、フランスからStoffel Munck教授(パリ第1大学)を招いたシンポジウム(2011年10月27、11月2、3、6日)、ドイツからJurgen Sacker教授(ベルリン自由大学)を招いたシンポジウム(2011年12月19、20日)、フランスからChabas名誉教授(パリ第12大学)を招いたシンポジウム(2012年3月3、5日)を開催した。これらの国際研究集会の成果は、各グループ内で個別的に、さらにグループ横断的に、まとめに向けて蓄積、検討されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、大型の国際シンポジウムを企画していたが、招聘が必ずしもうまくいかず、結局、3名の外国人研究者を招聘し、別々にシンポジウムを開催するにとどまった。そのため、各研究分担者を中心とする各グループごとの活動が中心となり、全体の成果に結びつける作業が遅れているが、各グループはよく活動しており、分担したテーマの成果は揃いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
国際シンポウムの開催計画は実行がやや遅れているが、それでも一昨年3名、昨年3名の外国人研究者を招聘し、各グループの成果はまとまりつつある。今年度はこれまでの成果をまとめる年に当たるので、全体の計画を若干縮小した上で、全体研究会・会議を多く開催して情報の共有化を図り、当初企図した成果に結び付くように努めたい。来日できなかった海外研究者の報告分担内容については、これまでに収集した資料により補うほか、個別的な問い合わせ等により対応したうえ、成果をまとめたい。
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