研究課題/領域番号 |
22330038
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
宮澤 節生 青山学院大学, 法務研究科, 教授 (60001830)
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研究分担者 |
神長 百合子 専修大学, 法学部, 教授 (80194968)
武士俣 敦 福岡大学, 法学部, 教授 (30190169)
和田 仁孝 早稲田大学, 法務研究科, 教授 (80183127)
藤本 亮 静岡大学, 法務研究科, 教授 (80300474)
上石 圭一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80313485)
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キーワード | 弁護士 / 旧司法試験 / 新司法試験 / 司法修習 / 就職 / キャリア |
研究概要 |
平成23年度は、平成22年度(平成23年1月~2月)に実施した第1回郵送調査(回答率29.7%;回答者621名)のデータ分析を行うとともに、回答者の中から約50名を抽出して面接調査を行うことを予定していた。 第1回郵送調査のデータ分析は、単純集計レベルの分析を平成23年7月に終了し、全135ページの報告書として刊行した。宮澤節生・石田京子・久保山力也・藤本亮・武士俣敦・上石圭一「第62期弁護士第1回郵送調査の概要-記述統計の提示-」青山法務研究論集第4号(平成23年9月)である(同誌掲載の論文は、青山学院大学図書館の機関リポジトリとTKC教育研究支援システムの法学紀要データベースからダウンロードすることができる)。その内容は、下記のとおりである。(1)合格した司法試験と受験準備のための機関等;(2)新司法試験合格者の法科大学院理由と教育経験;(3)受験準備から現在に至る経済的・家庭的負担;(4)司法修習、弁護士を選んだ理由、最初の就職が決まった時期;(5)弁護士会・職場の特性と選択理由;(6)労働時間とその配分;(7)所得・満足度と将来への不安。弁護士の養成過程と実務の最初期段階における経験内容と、それに対する評価について、前例のない詳細なデータを収集しえたものということができる。 上記報告書は、送付を希望した者全員(485名)に送付し、その際、面接調査の要請を行った。それに対して、札幌から奄美大島に至る66名から応諾の意思表示があった。郵送調査は完全に匿名性を維持したため、回答内容に基づいて面接対象を抽出することはできなかったが、結果的には、法テラス法律事務所・ひまわり基金法律事務所から、社内法務部、大手渉外事務所に至る、多様な弁護士から応諾の回答を得ることができた。その回答に基づいて、平成24年1月下旬から3月上旬にかけて16名の面接調査を実施し、面接の録音は、そのつど専門家によって文字起こしを行い、文書ファイル化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
面接調査に応諾した者66名のうち16名しか面接が終了しておらず、平成24年度も引き続き面接調査を行う必要がある。ただし、残る面接対象者は、関東地区・中京地区・関西地区の弁護士であるため、効率的に面接を進めることが可能であり、平成24年4月~6月に終了すると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、以下の5つの作業を行う。(1)平成24年5月の日本法社会学会学術大会においてミニシンポを開催し、第1回郵送調査について、すでに公表した単純集計レベルの分析をさらに押し進めて、新旧別、所属弁護士会規模別、性別などの基本的属性による二変数分析の結果を報告する。(2)平成24年6月までに面接調査を完了し、引き続きデータ分析を行う。(3)第1回郵送調査について、データクリーニングとコーディングを行い、多変量解析へと進む。(4)平成24年12月に、第1回郵送調査の結果と面接調査の結果を総合的に報告するシンポを開催する。(5)前記シンポに基づいて、平成25年3月に単行本を出版する。
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