研究課題
22年度は、特許制度と他の公共政策との抵触問題について、一次資料を収集分析するとともに、内外の有識者との意見交換を実施した。例えば、高倉は生命倫理・貿易に関し欧州特許庁(EPO)及び世界貿易機関(WTO)を、田上は遺伝資源・伝統的知識に関し台湾を、潮海は医薬開発に関しマックプランク研究所及び世界知的所有権機関を、加藤は公衆衛生に関し世界保健険機関(WHO)を、杉光は米国の動向に関し南力大学をそれぞれ訪問し、各分野の専門家との意見交換を実施。その成果の一部はジュリスト、AIPPI(国際知的財産保護協会論文誌)に発表済み又は発表の予定である。また、昨年6月以来、研究分担者及び連携研究者をメンバーとする研究会を月1回の頻度で開催している。これまでに、生命倫理、環境、ITなどの各分野の学界・産業界・政府の有識者(例えば京都大学位田隆一教授等)を招聘し、分野横断的意見交換を行った。この研究会を通じ、それぞれの分野における知財関連問題の共通部分及び異なる部分が次第に明らかになりつつある。なお、本研究会は、若手人材育成及び知的財産問題への取組みの多様化の観点から、学内外の若手研究者、異分野(例えばバイオ分野)の研究者等にも参加の機会を提供した。さらに、10月には、明治大学知的財産法政策研究所(RIPPL)のホームページ(URLは下記13参照)を開設し、本研究の意義、活動等を文書化し、さらにその文書を英語及び中国語に翻訳し、対外発信に努めているところである。こうした対外発信の成果の1つとして、例えば、WTOの知的財産部長のアントニー・タウブマン氏からは、本研究の今日的意義に対する高い評価と、知財の「現場」に基礎を置く新しい公共政策としての知財政策のビジョン形成への期待が寄せられていることを付記しておきたい。
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知財研フォーラム
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生物遺伝資源へのアクセスと利益配分-生物多様性条約の課題-
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http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/index.html