研究課題/領域番号 |
22330042
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
真渕 勝 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (70165934)
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研究分担者 |
稲継 裕昭 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90289108)
北山 俊哉 関西学院大学, 法学部, 教授 (90214824)
笠 京子 明治大学, 公共政策大学院, 教授 (90210822)
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
原田 久 立教大学, 法学部, 教授 (70275460)
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キーワード | 過誤 / 回避戦略 / 公共政策研究 / 公共的人間 |
研究概要 |
本研究は、公共政策研究におけるこの価値中立的な分析方法の確立を目指している。その意図は第一に、公共政策研究を客観的な学問にすること、つまり社会科学にすることであり、第二に、ある(たとえば社会的安定化を標榜する)規制政策を成功させる条件が何であるかを知ることによって、それとは異なる(たとえば社会的活性化を標榜する)規制策を成功させるために何をすればよいのか、一定の道標を得ることである。 以上の観点から本年度の研究実績をあげれば、次の2点が挙げられる。 ○政策分野を横断した公共政策の分析視角としての「過誤」について、一方において生活保護行政などの具体的な政策を対象にして具体的に分析することによって、過誤を回避する戦略の多様性を確かめると共に、他方において経済学で開発された市場の失敗および政府の失敗の概念と対比させて考察することによって理論的に研ぎ澄ましてきた。非常に力強い視角であることが明らかになってきている。 ○政策形成における人間の行動モデルとして「公共的人間(public person)」という概念を開発した。H・サイモンの経営的人間(administrative man)を発展させた概念である。経営的人間は制約された合理性を前提にして、意図においては合理的であるが、結果においては合理性は制約されているとするモデルであるが、公共的人間はこれに加えて「事後的に合理的」であるという要件を備えている。すなわち、公共的人間は、自分の下した決定を事後的に正当なものであると説明する人間である。
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