研究課題/領域番号 |
22330044
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
品田 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10226136)
|
研究分担者 |
大西 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90254375)
曽我 謙悟 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60261947)
河村 和徳 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60306868)
今井 亮佑 首都大学東京, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (80345248)
砂原 庸介 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (40549680)
|
キーワード | 日本政治分析 / 選挙区政治 |
研究概要 |
本研究の目的は、選挙区レベルでの政治、具体的には、国会議員を主とする政治家と有権者の関係がどのように変容しつつあるのか調査し、その変化の要因を実証的に解明することであった。本年度は、初年度の趣旨を確認するとともに、これまでの研究を踏まえ、各人が研究遂行に励んだ。夏にはかなりの成果がまとまり、8月に東京および神戸で研究会を行った。そこでは、それぞれの研究について報告がなされ、これに基づいた徹底的な検討がなされた。その結果、集票活動に関しては今井が量的なアプローチから「選挙運動の効果」を、また山田が計量分析に加え質的な手法で「茨城県における自民党支配の揺らぎ」を、それぞれ研究し成果をまとめた。政治家と有権者の関係に関しては、濱本が「選挙区活動の規程因の変容」についてデータを蓄積し、その分析を行い、政治家同士の関係については、河村が「系列再編と地域政党」、曽我が「政治家の中央・地方ネットワーク」について、それぞれ豊富なデータに基づく計量分析を行った。また「韓国の政党地方組織の変容」(大西)、あるいは、英国の政党組織の規律に関する「公認権と選挙区政治」(高安)によって比較研究による理解を加えることができた。また、砂原は「国会議員から地方首長への転進」に注目し、地方への影響を論じた。この研究と同様の視点、すなわち、近年の選挙区政治の変容が政治家のキャリアに与えた影響についても分析が進んだ。こちらは、藤村による「民主党政権下での役職配分」に加え、堤らの喉補者リクルートメントの変容」、途中から研究に実質的に参加している平野の「市長選挙における二大政党の関与」などの成果がまとまりつつある。これらに関しては、2月に神戸で行った研究会で徹底的に議論がなされた。以上の成果は、日本選挙学会研究大会などで報告され、あるいは日本政治学会年報などとして出版されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、予定していた通り、成果として、日本政治学会年報を刊行することができた。この年報には、分担者・連携者が執筆した8本の論文を収録しているが、これらの論文の作成の折に、当科研の共同研究は非常に有意義であった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度、最終年度に入るが、まとめとして本年度は2つの成果を出したいと考える。一つは、上述の通り、昨年度に進展した「選挙区政治の変容が政治家のキャリアに与える影響」についてであり、そのまとめを早い時期に公表したいと考えている。さらに、これまでの研究成果を活かす形で、選挙区政治の変容をまとめる成果を年度末に出したいと考える。ここまでは、分担者の個性を最重要視し自由に研究を進めてきたが、研究会を重ねることにより、共通理解も進んできた。これを大事にしながら、必要に応じて追加的調査を実施し、まとめ、あるいは応用を進めたい。
|