研究課題/領域番号 |
22330049
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
市川 宏雄 明治大学, 政治経済学部, 教授 (80298041)
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研究分担者 |
中邨 章 明治大学, 研究・知財戦略機構, 客員研究員 (20109804)
牛山 久仁彦 明治大学, 政治経済学部, 教授 (30308704)
砂金 祐年 常盤大学, コミュニティ振興学部, 准教授 (00433574)
佐々木 一如 明治大学, ガバナンス研究科, 特任講師 (90559832)
西村 弥 明治大学, 研究・知財戦略機構, 客員研究員 (80468826)
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キーワード | 都市政策 / 行政学 / 都市地域社会 / 地域力 / 安心安全 / 防災 / 危機管理 / 大規模災害 |
研究概要 |
3か年にわたる本研究の目標は、次の三点について明らかにすることにある。(1)都市における安心安全を確保するために効果的な自治体の組織運営と施策は、どのようにあるべきか。(2)自治体が実施する安心安全施策の実効性は、都市部の地域コミュニティの持つ"地域力"との間に、どのような相関が存在するのか。(3)都市住民の安心安全、都市の危機管理能力を強化するために、住民、NPO、民間企業といった各主体がどのように寄与できるか。これらの問いにこたえるため、本研究では、都市住民と都市部の自治体の双方に対してウェブと郵送による二段階のアンケート調査を実施し、さらに自治体へのヒアリング調査を実施することにより、自治体が安心安全政策を立案するにあたり、不可欠の要素となる「高い地域力」の成立要件について抽出することとしている。 2011年度は、特例市以上の市と特別区の合計123団体を対象に「防災・危機管理に関するアンケート調査」を実施した。本アンケート調査は、首長を対象とした「首長アンケート」と、防災・危機管理業務を担当する部署を対象とした「担当課アンケート」の2種類からなる。これをそれぞれ特例市(人口20万人以上の市)以上の市と特別区(東京23区)の合計123団体に郵送し、記入後に郵便で返送してもらうか、危機管理研究センターHPから電子化された様式をダウンロードしてもらい、電子メールで返信する方式で実施した。「首長アンケート」は69団体、「担当課アンケート」79団体から回答があり、回収率はそれぞれ56.1%(首長アンケート)と64.2%(担当課アンケート)であった。 この調査により、首長の防災・危機管理に対する認識、各自治体の防災・危機管理体制と施策等を把握することができたほか、首長の防災・危機管理意識とその自治体の施策との間での相関、さらに各地域の防災地域力との相関等について検証することが可能となった。また、同アンケートでは、本研究実施中に発生した東日本大震災への政府等の対応に関し、本研究と関連する部分について調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画にて予定していた「安心安全施策の取組度に関する郵送調査」を2011年10月に実施し、予定していた調査項目をすべて調査した。また、計画的に依頼、督促等を実施した結果、回収率も首長に対するアンケートは56.1%、自治体担当課に対するアンケートは64.2%と、郵送調査としては異例の高い回収率をおさめ、正確性の高いデータを収集できた。定期的な研究会議を実施することで、データの整理、分析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度にあたる本年度まで、研究計画に沿ったかたちで研究が実施できている。これは定期的に研究代表者と研究分担者が研究会議を開催し、研究の進捗、および、今後の進め方等について確認しながら実施してきたことが大きいと考えられる。最終年度にあたる2012年度(第3年度)においても、ひきつづき、定期的な研究会議を開催することで研究計画に沿って進めてまいりたい。また、研究成果については、データの分析に時間を要したことから今年度報告書における記載本数は限られているが、2012年度発行の書籍・論文誌等における執筆済み論文、報告等がすでに3本ある。分析が進展するのにあわせ、今後も積極的に研究成果を発表、公開していく。
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