研究課題/領域番号 |
22330054
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
星野 俊也 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (70304045)
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研究分担者 |
山田 哲也 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00367640)
奥田 太郎 南山大学, 人文学部, 准教授 (20367725)
吉川 元 上智大学, 外国語学部, 教授 (50153143)
眞嶋 俊造 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50447059)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 保護する責任 |
研究概要 |
ある国家が自国の人々を保護する能力を喪失していたり、保護する意思そのものが欠如していたりしている状況下で著しい人道危機が引き起こされるような場合に、国際社会としていかにこれを防止し、不幸にもかかる事態が発生した場合にいかなるかたちで対応をしていくのか。本研究では、国際社会が「保護する責任(R2P)」概念を援用し、国境を越えて寄る辺ない人々を救済する役割を、国際政治学、国際法学、応用倫理学・哲学のディシプリンの知の融合により、極限状態にある人々に対する最も有効な「保護」のかたちと、国際社会がとりうる適切な「責任」のあり方を批判的に検討した。本研究の実施期間中には、「アラブの春」による北アフリカ・中東地域における政治的な変革とそうした動きへの当該国政府への反発を通じ、人道危機と国際社会による保護する責任論議は現実の政策と実践の課題となった。研究代表者、研究分担者、連携研究者は、大阪や名古屋で研究会を実施する一方、主要な学会や国際会議・セミナーなどで議論をリードした。これらの議論をも踏まえ、研究代表者(星野)は、「『保護する責任』と国際正義」と題する論文を日本国際政治学会機関誌『国際政治』第171号(2013年1月)に発表した。ここでは、正義を「正義が、人々の自由を奪い、不条理な苦痛をもたらす暴力による不正義の補集合」「各主体がそれぞれ帰属する社会に『埋め込まれた』認識」「不正義に対する『矯正』」の3点からとらえ直し、保護する責任を求める事態の対応の国政政治・国際法・社会倫理的視点を融合し、「グローバルな社会」における人間保護の規範形成と実践のための「中間倫理」として「保護する責任」論を位置付けるという暫定的な結論を得た。「保護する責任」論は、引き続き、理想と現実のはざまで国家実行(及び不実行)が重ねられる中、更なる理論的・実証的な研究と政策提言の必要を実感し、本研究を終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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