| 研究課題/領域番号 |
22330061
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
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| 研究分担者 |
青柳 真樹 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50314430)
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (80448654)
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| 研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | メカニズム・デザイン / 耐戦略性 / 経済実験 / オークション / 誘因両立性 / 非分割財 |
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| 研究実績の概要 |
どのような社会でも、社会として意思決定を行う際に、メンバーの意見や好みといった情報を明示的また暗黙のうちに集約したり、反映したりするかたちをとる。メカニズム・デザインでは、メンバーの情報を集約または反映して社会的意思決定する方法を、「社会選択関数」と呼ぶ。 多くの場合、意見、好み、必要性といった情報は、メンバー自身しか知り得ないか、立証できないので、メンバーが自発的に真の情報を反映させようという動機がない限り、社会的に好ましくない選択をしてしまう危険性がある。これを避けるためには、社会選択関数が、メンバー に自発的に真の情報を反映さる誘因を備えていなければならない。その誘因として、本研究では、社会選択関数の「耐戦略性」という性質を研究した。耐戦略性を備える社会選択関数を理論的に研究し、さらに経済実験によって検証した。
平成25年度には、特に入札者が非準線形な選好をもつ複数財オークション・モデルにおいて、耐戦略性、効率性および個人合理性を有する社会選択関数を研究した。Unit Demandのオークション・モデルで、ワルラス均衡価格はLattice構造をもつ。その中で、ワルラス均衡価格の中で、最小均衡価格に対応する配分を選ぶ社会選択関数を、「最小均衡価格ルール」と呼ぶ。前年度までに、理論的に次のことを示した。i) 最小均衡価格ルールが、耐戦略性、効率性および個人合理性を有する唯一の社会選択関数である。ii) 同時競り上げオークションの結果として、最小均衡価格ルールの配分が達成される。平成25年度には、この理論的な結果をさらに進展させ、入札者が非分割財に先験的なランキングを持つ場合についても分析を行った。このような結果を国際的なコンファレンスで報告するとともに、理論的分析結果を検証する経済実験を行った
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の理論的分析結果を、ロチェスター大学（アメリカ）、バルセロナ自治大学、シンガポール国立大学、ルンド大学（スエーデン）、スタンフォード大学、インド統計大学、モントリオール大学（カナダ）など世界各国の大学で開催されたのコンファレンスやセミナーで、積極的に発表した。そこで得られたコメントをもとに、入札者が非分割財に先験的なランキングを持つ場合についても分析を行った。さらに、理論的な分析結果を検証する経済実験も実施した。
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| 今後の研究の推進方策 |
Unit Demandの仮定のもとで、前年度までに、理論的に次のことを示していた。i) 最小均衡価格ルールが、耐戦略性、効率性および個人合理性を有する唯一の社会選択関数である。ii) 同時競り上げオークションの結果として、最小均衡価格ルールの配分が達成される。この結果を論文にまとめ、世界各国のコンファレンス・セミナーで発表し、いろいろなコメント・アドバイスを受けた。それをもとに、論文の完成度をあげ、世界的な学術誌への論文掲載を目指す。この結果を、入札者が非分割財に先験的なランキングを持つ場合や、複数の非分割財を受け取り可能な場合について拡張していく。さらに、それらの理論的な分析結果を経済実験により検証していく。
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