研究課題
研究代表者(大垣)と研究分担者の大竹、亀坂は、連携研究者のホリオカ・チャールズ大阪大学社会経済研究所教授と研究協力者の窪田康平大阪大学社会科学研究所特任研究員とともに異世代間利他主義の研究を進めた。この研究は大阪21世紀COEと、グローバルCOEプロジェクトで集められてきた「くらしの好みのアンケート調査」のデータを用い、親の時間割引率の子に対する利他的な態度への影響に関するデータ分析と、親の世界観の子に対する利他的態度への影響に関するデータ分析を終えて、これらの研究成果を学会やセミナーで発表した。特に時間割引率の低い忍耐強い親と、世界観の信条に関して確信度の強い親は、より厳しいしつけの態度を取る傾向があることを示した。また日本人はアメリカ人に比べ、世界観の確信度が弱い傾向があることを示した。また世界観と利他的行動に関するアンケート調査と実験をドイツの研究者とともに同国在住のプロテスタント、カトリック、イスラム教、ユダヤ教のさまざまなグループを対象に、また米国在住の研究者とともに米国在住の日本人や日系人の多く参加している教会を対象に行った。これらの新しいデータと実証分析結果は、利他的経済行動の背後にある世界観まで考慮した経済動学モデルを構築していくための基礎となる。研究分担者の櫻川は新古典派的な説明が困難なバブル期の消費・貯蓄行動を、行動経済学的な知見を応用して分析する目的で、理論的仮説の提示、データの特性についての分析、そして両者を整合的につなぐモデルの開発を中心に研究を進めた。またこの目的のため日本の県別データについての情報収集と、日米の消費と純資産,資産、負債のデータ系列の作成を行った。特に日本の正確な地価データの収集は難しいため、この情報収集が進んだことの今後の研究のための意義が大きい。
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現代経済学の潮流2010
ページ: 117-151
International Review of Financial Analysis
巻: Vol.19, Issue 4 ページ: 223-236
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