研究課題/領域番号 |
22330067
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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研究分担者 |
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00283680)
永井 圭二 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50311866)
依田 依田 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (60278794)
奥井 亮 京都大学, 経済研究所, 准教授 (20563480)
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キーワード | 因果性 / ノンパラメトリック法 / モーメント条件 / 操作変数 / model averaging |
研究概要 |
Y.Nishiyama,K.Hitomi,Y.Kawasaki,and K.Jeongによる論文"A Consistent Nonparametric Test for Nonlinear Causality"においては、定常時系列データが、関数形がわからない非線形のAR構造をもつ場合にノンパラメトリックな因果性の検定手法を提案した。従来の線形過程のみを対象とする枠組みでは、近年その非線形性が指摘されているマクロ時系列、金融時系列等に適用することが不適切であるが、新しく提案された手法を用いることによって、非線形な場合でも因果性の検定を行うことができ、また実際にこれを金融データに適用した実証分析も行った。また、"Moment Restriction-based Econometric Methods:An Overview"においては、近年計量経済学にも取り入れられて研究が大きく進んでいるモーメント条件で記述されるセミパラメトリックな計量分析に関する文献の概観を行っている。"The Binarized Scoring Rule of Belief Elicitation"では、不確実な事象に関する情報を聞き出す新しい方法を開発した。この方法は、聞き出す対象のリスク回避度などの不確実性への態度に関する仮定を置く必要がない点で優れている。"Model Averaging without Non-negative constraints"は、多数の統計モデルを平均化して統計処理を行うモデル平均法に関する研究である。平均化するときに各モデルに置く重みが負になることも許容した方法を考案した。重みを負にすることにより、計算量を増やさずに、考慮するモデルを多くすることができる点で、有用な方法となっている。「操作変数が多い場合の推定」では、操作変数法において、操作変数が多い場合の推定に関してこれまでの研究をまとめたものを発表した。特に、操作変数が多い場合に起こる推定量のバイアス問題の解説と、その問題に対処するために考案された、操作変数選択法と縮約推定法の解説を、主に行った。
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