研究課題/領域番号 |
22330072
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研究機関 | 財団法人 統計研究会 |
研究代表者 |
竹内 啓 財団法人 統計研究会, 調査研究部, 研究フェロー (20012114)
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研究分担者 |
松田 芳郎 青森公立大学, 客員教授 (30002976)
美添 泰人 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80062868)
椿 広計 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (30155436)
舟岡 史雄 信州大学, 経済学部, 教授 (50143962)
三浦 由己 日本統計協会, 研究顧問 (30229645)
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キーワード | 国勢調査 / 回答率・記入率 / 大震災被害と統計 / 統計の信頼性 / 統計の整合性 / 信頼性の限界 |
研究概要 |
2010年に実施された国勢調査におけて、その現実の実施状況に関して、関係者からのヒアリングを行った結果、次のようなことが明らかとなった。 2010年の調査では、初めて調査票の封入提出および郵送による返送が全面的に採用された。また一部インターネットによる回答も採用された。それはプライバシー意識の高まりやオートロックマンションの増加などのために調査員による回収が困難を増していることに対応するためであったが、それによって回収率や調査票記入率が低下することが懸念された。実際の結果では回答が得られない世帯について、住民基本台帳から基本的事項を転記することも含めて、回収率そのものは一応満足できるレベルに達したといえる。しかし記入内容が不備なものは増加し、結果として年齢不詳や産業が不明なものがかなりの数に上った。またこれまでの結果を得るために調査員や自治体の担当者の苦労も多かった。 結果の信頼性については、地域間の差も含めて、なお一層の分析が必要であると思われるが、全体としてはこれまでの調査と比較して、劣化したことはないと思われる。むしろ総人口の確定値が、前回の国勢調査の結果人口異動を加え計算した推計値を上回ったことは、今回の調査の補足率が十分高かったことを示すものである。 そのほか3・11大震災の影響についての統計、またそれが統計の連続性、信頼性について与えた影響について、研究分担者が宮城県を訪れ現地調査を行った。 復旧復興計画の基礎となるべき被害、被災状況に関するデータは各省庁、地方自治体、民間団体等に分散していて、体系的にまとめられていない。このことは本格的な復興計画の作成に当たって公平性、効率性を貫くことを困難にする危険があると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3・11東日本大震災の影響により、省庁や自治体の担当者からのヒアリングをスケジュール通りに行うことが困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年2月に行われた経済センサス活動調査について、その実施状況を調べ、その結果の信頼性を評価する。 また、最後の年度として、これまで調査した事例に基づいて政府統計の信頼性を左右する重要な要素を解明し、その結果をまとめる。
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