研究分担者 |
高塚 創 香川大学, 大学院・地域マネジメント研究科, 教授 (50304572)
河野 達仁 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00344713)
中島 賢太郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60507698)
張 陽 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60302204)
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研究概要 |
平成23年度は計画とおり、次の研究を順調に行ってきた。 1. 脱国境の国際経済分析。従来のNew Trade Theoryの研究では、農業部門の存在によって労働賃金率が外生的に与えられる。それを改善し、賃金格差を内生的に決めるモデルを開発した成果はCanadian Journal of EconomicsとEconomic Theoryに受理された。これら成果に基づき、賃金差による先進国から発展途上国へのoutsourceの変化と関係国の厚生分析を行い、発展途上国と先進国の賃金格差についた様々な変化パターンを解明した。さらに、非対称な貿易政策による価格指数・厚生への影響の分析も行った。そして、工業の集積と観光産業の関係を調べた成果はJapanese Economic Reviewに掲載され、それを深化した研究として、資源の呪いを一般均衡の枠組みによって解明した。 2. 交通政策。開放・閉鎖型の単一中心都市における地域独占度の異なるデベロッパーによる住宅地の動学的開発モデルを開発した.その結果,混雑のない開放型都市における住宅開発パターンは地域独占度に影響されないこと,および,閉鎖型都市における独占的なデベロッパーのもとでは完全競争下よりも住宅が高層化され,都市がコンパクトになることがわかった.成果はRegional Science and Urban Economics, Journal of Economic Dynamics and Control, Journal of Benefit-Cost Analysis等に受理された。そして、土地利用規制における次善政策としてのUGB規制の効率性を検証するためのClosed都市モデルを構築した。面積をもつ業務地区を考慮したモデルではUGB規制は社会厚生を高める効果がなく、逆に社会厚生を減少させるが可能性があることを明らかにした。 3. 実証の面で、空間経済学の基礎となる、財の輸送費用削減を通じた集積効果を検討し、企業間取引のデータなどを用いた分析を行った。日本において企業立地が集積していること,またそれ以上に物流の関係が空間的に集積していること,また企業間の取引関係形成に地理的距離が影響していることなどの結論を得た.成果はJournal of Regional Science, Journal of the Japanese and International Economiesに掲載・受理された。
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