研究課題/領域番号 |
22330080
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浦田 秀次郎 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (10185085)
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研究分担者 |
清田 耕造 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (10306863)
松浦 寿幸 慶應義塾大学, 産業研究所, 講師 (20456304)
伊藤 匡 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (40550413)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | グローバリゼーション / 生産性 / ミクロデータ / 多国籍企業 / 輸出企業 |
研究概要 |
平成24年度は、平成23年度に引き続き、これまで準備してきた理論的枠組みと新たに構築した企業データベースを用いた実証研究の精度を高めることに注力した。研究は、企業の国際化の決定要因を探る国際化要因研究と、企業の国際化が生産性等のパフォーマンスにおよぼす影響の研究(成果計測研究)の二本立てで進めている。 国際化要因研究では、企業の海外進出行動の決定要因を分析していく。まず、日本企業の海外進出パターンの規定要因を明らかにするために、「企業活動基本調査」と「海外事業活動基本調査」を用いて、海外進出と生産性に関する実証分析を行なった。この分野では、すでに多数の先行研究があるが、我々のプロジェクトでは、構造パラメータの推計を行ったり、また、日本企業の特徴を明らかにするために国際比較も試みている。まず、輸出企業のパフォーマンスについては、平成23年、24年度から進めている日仏比較研究という形で、日仏の輸出企業、および非輸出企業の生産性比較を実施した。本年度は、分析結果の理論的な解釈を充実させ、その成果を国内外の学会で報告するとともに、分析結果をディスカッションペーパーとして取り纏めた。海外直接投資については、Eaton, Kortum and Kramarzの枠組みを用いて、海外直接投資の固定費・可変費用の分布パラメータの計測を行った。 一方、成果計測研究では、多国籍企業の高い生産性の源泉を探るべく、多国籍企業のリストラクチャリングの実態についての分析を行った。具体的には、「工業統計」と「企業活動基本調査」を用いて、多国籍企業が国内事業所を閉鎖する際に、どのような事業所から優先的に閉鎖を行っているかを分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外ジャーナルに投稿したものが掲載され始めるなど、少しずつ研究成果が揃い始めている。また、国際共同研究も順調に進み、Discussion Paperの形で分析結果を公表できる段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、最終年度にあたるので、これまでの研究成果を取り纏め、学会等で報告するほか、学術誌への投稿を進めていく。 なお、平成24年度から進めている、日本、および世界各国の貿易額・国内生産額をデータベース化する作業については、分析結果の取り纏め、および論文の公表の後、データそのものの公表についても検討したい。
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