研究課題/領域番号 |
22330086
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 与志 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (80325208)
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研究分担者 |
黒川 基裕 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (30363774)
佐土井 有里 名城大学, 経済学部, 教授 (20387757)
浅井 敬一朗 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 准教授 (50273248)
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キーワード | 人的資源開発 / 技術移転 / 政府開発援助 / 国際協力 / ものづくり / 自動車産業 / 金型産業 / アジア |
研究概要 |
平成23年度は、各事例における地元資本サプライヤーへの人材育成支援について、以下の点を明らかにすることを目的として研究を実施した。 1)サブプロジェクト・レベルの実施過程と効果(人材育成・技術移転論) 個人・組織特性、支援内容の満足度、学習、職場での行動変容、ビジネス上の成果に加え、職場での上司や同僚の支援を多面的にみることによって客観性を高める形でデータを収集・分析した。 2)研修・移転内容と企業戦略・組織の適合(経営戦略・組織論ベースの技術経営論) 文献調査に基づいて、エンジニアリングへの展開が進んでいる当該産業においては、製品アーキテクチャ論の観点から「摺り合わせ」型の人材がより求められるようになっていることを示した。 3)各事例の包括的効果(産業政策論・援助政策論を含む3分野の分析結果の統合) 産業政策・援助政策の観点を中心に、包括的な効果の評価にかかわる手法の開発を進めた。 これらの研究では、タイ・マレーシア裾野産業への官民連携型の「ものづくり人材」育成支援の事例を対象とした国際・産業間比較を通じて、効果的な支援のあり方や官民の役割分担についての包括的な分析に向けた整理を行った。3つの分野の知見を融合することで、従来必ずしも十分に分析されていなかった外部要因が人材育成支援プログラムに及ぼす影響を包括的に把握することができた。 これらの成果は、後述の査読付き論文等として刊行済みであるほか、タイ・マレーシアの研究協力者を含む各研究参画者により2011年3月に名城大学で開催したワークショップでも報告し、論文集として取りまとめ済みである。さらに2012年度中に学会報告、雑誌論文として発表する予定である。 なお、タイにおいては、当該研究対象であったTAHRDP(タイ自動車産業人材育成プログラム)の続編であるTAHRDIP(タイ自動車人材育成インスティテュートプログラム)が2012年度より5カ年計画で実施予定であるが、そのプログラム立案において、本研究課題の成果の一部が参照された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外の研究協力者を含め、それぞれ計画した研究内容に沿った形で分析を実施し、結果も論文の形で取りまとめ済みである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのところ研究はおおむね順調に進展しているため、引き続き当初計画に沿う形で、研究分担者および海外の研究協力者が個別の研究を進める。さらに、平成24年度は本研究課題の最終年度に当たるため、全体取りまとめの観点からインターネット会議などの方法も利用して相互の意見交換をより頻繁に行うように努める。
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