研究課題/領域番号 |
22330097
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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研究分担者 |
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
鳥海 不二夫 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (30377775)
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キーワード | GARCH効果 / 人工市場 / 外国為替市場 / マイクロストラクチャー |
研究概要 |
本年度は、超高頻度データを用いた為替市場の解析を通じた、市場特性の特定および、それらを生かした人工市場モデルの構築を進めた。 外国為替市揚の特性としては、危機的状況(リーマンショックをケースとして採用)とそうでない状況では、情報の市場への影響が異なることが明らかとなった。また情報の代理変数としては、取引量とオーダーフローの二つが考えられるが、危機低状況と通常時ではそれぞれの影響の大きさが異なることが明らかとなった。これらの比較から、オーダーフローよりも取引量の方が市場へのインパクトが大きいことが予想される。 また、これらの分析から、市場の効率性が市場の状況により異なることも示された。したがって、市場の環境によりモデルを変更すべきことが示唆されたと言える。 人工市場モデルの構築においては、標準的なモデルを想定して研究を進めた。標準的モデルとはインフォームドディーラーとアンインフォームドディーラーの二つのタイプのディーラーからなる市場を想定した人工市場を構築した。また、二つの種類のディーラーの市場における割合を任意に設定し、さまざまな市場構造のもとで生み出される価格流列の変動特性を、試験的に分析した。市場構造が明示的に価格変動特性に影響を与えたとの明示的な結果を得ることはできなかった。 本年度はこれら二つのタイプのディーラーの投資行動をモデル化することを主眼に進めており、次年度以降はより現実的なディニラーの行動特性を反映したモデル構築を進めることとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市場特性を反映した人工市場モデルの標準モデルの構築に一定の目処がついたため。今後は標準モデルをモディファイしながら、現実の市場に近いものを構築するとともに、インフォームドディーラーの存在とGARCH効果の関係を検証することとする。
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今後の研究の推進方策 |
仮説を反映した人工市場モデルを構築し、そこから生まれる価格流列の変動特性とGARCH効果の関係を統計的に検証する。また、人工市場から生み出される価格流列の変動特性と実際のデータの変動特性の相違についても超高頻度データを用いて統計的に検証する。
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