研究課題/領域番号 |
22330104
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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研究分担者 |
村山 良之 山形大学, 大学院・教育実践研究科, 教授 (10210072)
山内 太 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70271856)
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キーワード | 奉公人 / 日英地域比較 / 近世労働力市場 / 労働組織 / 労働力移動 / 旧上田藩上塩尻 / ケンブリッジ州ウィリンガム教区 |
研究概要 |
本年度はまず、初年度の業務として日英奉公人制度の研究史を整理しながら、これまでの研究データの蓄積を確認する作業に従事した。申請時の見通し通り、近世期奉公人など労働力移動について一村を基点に周辺地域を網羅的に研究した例はほとんどないため、本研究で取り組み始めている。今回、日本では本プロジェクト・チームが研究を続けている上塩尻村(長野県)の隣村秋和で、新たに大量の区有文書を発見することができた。これにより、上塩尻村の周辺部分との労働力移動について理解を深める意義がある。さらに、研究会は例会に加え、インフォーマントの理解を深め社会への還元ともするため、地元である上田市上塩尻の地方史研究会「上塩尻今昔の会」との共同研究会を開催した。その過程で佐藤善右衛門家史料の地図を含む未確認・未公開部分を「発掘」することになり、図らずも大きな成果となった。これらの史料群を生成済み上塩尻データベースと併せて効果的に活用し、系譜関係に沿った近距離労働力移動および労働力市場形成過程に新たな光を投げかけることが期待できる。英国においては、やはり社会経済データベースが生成済みのウィリンガム教区を含むケンブリッジ州全体の検認遺言書約30000件の史料調査をすませ、また同州の教区登録簿データ集も調査中に獲得しており、地域労働力系譜群データ生成に着手している。その過程での分析結果は一部、業績に掲げた国内・海外学会報告(社会経済史学会全国大会および東北部会、オックスフォード-名古屋大学国際環境史セミナーの各セッションにおいて報告した。また、中間報告書は日本語および英語にて国際比較研究会編『国際比較研究』(ISSN 1880-0882)第7号(2011年)に収録している。なお、方法の確立に関する基本資料としてM・スパフォド著『コントラスティング・コミュニティーズ』の一部翻訳も行い、同誌に収録している。
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