研究課題/領域番号 |
22330105
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済研究科, 教授 (30230931)
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研究分担者 |
籠谷 直人 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70185734)
川村 朋貴 富山大学, 人文学部, 准教授 (80377233)
西村 雄志 関西大学, 経済学部, 准教授 (10412420)
島田 竜登 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (80435106)
石川 亮太 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (00363416)
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キーワード | 植民地都市 / イギリス帝国 / イギリス系商社 / アジア系商人 / 英国議会資料 |
研究概要 |
本年度は、この共同研究に関連して、3回の研究会および1回の国際ワークショップを開催した。 ●7月23日(土)に、第1回研究会(午後1時~午後5時、場所:京都大学人文科学研究所・セミナー室)を開催した。(1)脇村孝平'Quarantine, International Relations and East Asia : The Late 19th Century and the Inter war Period'、(2)川村朋貴「19世紀における海峡植民地の発展と商業ネットワーク:ペナンとシンガポールの商業会議所を事例にして」の二つの報告がなされた。 ●11月13日(日)に、第2回研究会(午後1時~午後5時、場所:京都大学人文科学研究所102号室))を開催した。(1)金貞蘭(オックスフォード大学ウエルカム医学史ユニット)The Borderline of "Empire": Japanese maritime quarantine in Busan c.1876-1910'、(2)市川智生(上海交通大学)「日本の開港場における情報ネットワークと現地社会-長崎英国領事館文書(F0796)および長崎県外事課文書の分析を通して-」の二つの報告がなされた。 ●2月11日(土)に、第3回研究会(午後1時から午後5時、場所:京都大学人文科学研究所102号室)を開催した。(1)鈴木英明(日本学術振興会特別研究員-PD東洋文庫)「ザンジバル:ネットワーク論からの再考」と題する報告、(2)「近代アジア植民地都市論-「連鎖と比較」の検証作業ためのディスカッション」と題する討議がなされた。 ●2012年3月25日(日)に、本科学研究費補助金を使用して、'Globalization, Colonial Cities and Mercantile Networks in Modern Asia'と題する国際ワークショップ(場所:京都大学・稲盛財団記念館中会議室)を開催した。イギリスとオーストラリアから二人の研究者(Anthony WebsterとRoger Gordon Knight)を招聘した。本研究班からは、川村と籠谷が報告をした。本ワークショップは、2012年度7月に南アフリカで開催される世界経済史会議に参加する予定の者の準備報告も兼ねていた。 ■このような研究会活動とは別に、19世紀アジアの植民地都市の比較の側面に焦点を合わせたデータ・ベース作りを各人それぞれが行った。来年度は、それらを付き合わせて、総合の作業が行われる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、商人・商社・銀行などに照準を合わせて、近代アジアにおける植民地都市の「比較」と「連鎖」の分析を行う共同研究であるが、以下の段取りで考えていた。(1)研究代表者および研究分担者は、個別の植民地都市の分析を順次進める。(2)それと同時に、各人が個別の都市のデータベース作りを行う。(3)このようにして作られたデータベースを、最終的に付き合わせて、「比較」と「連鎖」の分析を行う。本年度は、(2)の段階の作業を各人が行うという段階であったが、第3回(2月11日)の研究会の際に、各人の作業工程の確認を行ったが、概ね順調に進んでいることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、本年度は、各人が作成しつつある個別の植民地都市のデータベースを付き合わせて、植民地都市の「比較」および「連鎖」の分析を本格的に行うことが目標となる。したがって、研究会活動も、年度の前半は、作成したデータベースに基づく報告が中心となり、後半は「総合化」に関する報告を中心に構成する予定。
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