研究課題/領域番号 |
22330114
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若林 直樹 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (80242155)
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研究分担者 |
金井 一頼 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (50142831)
西澤 昭夫 東北大学, 経済学研究科, 教授 (80257435)
依田 高典 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60278794)
山田 仁一郎 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (40325311)
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
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キーワード | バイオクラスター / 組織間ネットワーク / 商業化 / 地域ケイパビリティ / 時系列分析 / 比較経済分析 / バイオベンチャー / アカデミック・イノベーション |
研究概要 |
本年度は、2000年代における関西バイオクラスターにおける産官学の共同特許ネットワークの構造変動についてのネットワーク分析による解析を進めて、主要研究大学を中心とした研究開発ネットワークの形成が進んでいることを確認した。さらに、関西バイオクラスターの構造特性を理解するために、海外のバイオテクノロジー産業関連の主要クラスターを国際比較し、そこでの研究機関,企業、ベンチャー企業間での連携関係についての分析作業を進めた.この分野での公的政策の影響の効果が確認できた。大きく三つの分野での研究活動を行った。第一に、関西バイオクラスターにおける研究開発ネットワークの構造変動解析については、大学中心の構造に変化していることと、産官学連携促進政策の影響が強いことを、製薬分野での共同特許ネットワークの時系列分析を行うことで確認した。科学政策の効果を比較対照するために、21世紀COEプログラムの研究促進効果を調査し、学際分野を除く8分野の分析を進めた。第二に、国際的なバイオ関連産業のクラスターと事業化枠組の比較検討を進めて、フランス等のバイオバレー、イタリアのミランドラ地域に集積する医療用デバイス産業における起業家活動、台湾における台北、高雄地域でのバイオクラスター形成政策等についての比較検討を行った。第三に、バイオ産業における企業家活動の公的支援政策についての研究を進めた。具体的には、日本におけるバイオ産業に関わる公的政策の影響と研究者起業ならびに技術移転の制度変化についての分析を進めると共に、イスラエルのバイオセクター向けVCファンドへの政府ファンドの新たな関わり方について検討した。なお、こうした中間成果は~国内では、組織学会、ベンチャー学会等の年次大会で紹介すると共に、海外では、韓国のKASBS(Korean association of Small Business Studies)Conferenceや、仏ストラスブール大学での国際ワークショップ、米国のUSIJ(U.S.-Japan Reserch Institute)におけるセミナーで報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資金的な制約で、製薬分野に限られているが、関西バイオクラスターの共同特許ネットワークの時系列分析については、順調に推移し、地域特性については明らかになってきている。さらに、米国、欧州、アジアの主要クラスターとの比較作業も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度なので、欧州組織学会等での成果報告を行うと共に、プロジェクトの成果を中間とりまとめとして、いくつかの学術雑誌に投稿していきたい。また、それに関連して、フランスや米国などの研究者との最終的な討論と共同研究作業を進めたい。出来るだけ、バイオクラスターにおける産学連携と企業、事業化の枠組みについての比較を進めて、関西バイオクラスターの特性を明らかにしたい。
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