研究課題/領域番号 |
22330116
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研究機関 | 産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
吉田 敏 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (00451881)
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研究分担者 |
福田 哲夫 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (70433175)
小山 登 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (70448009)
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キーワード | 製品開発思想 / 理論的側面と感覚的側面 / 製品の評価手法 / 設計手法 / Knowledge Mobility |
研究概要 |
ここでの目的の一つが、既存の学問領域を意識せず、使い手視点の「真に求められる製品とは何か」という基本的立場に立ち、製品開発における『理論的側面』と『感覚的側面』による統括的な評価手法の確立することである。もう一つは、その統括的な評価手法に基づく新しい設計手法の確立である。 2年目として、企業の経済的活動を実際に調査し、分析を行ってきた。それと共に、基礎的理論に関する議論を推し進め、研究調査の協力体制の確立を持続的に進めてきた。現段階としては、複数の企業を調査しながら、これまでに確立された理論と共に新しい理論体系を考えながら、分析を進めているところである。 具体的な活動としては、以下のような内容が進んでいる。 ・研究代表者、研究分担者を含む8名の大学教員による定期的研究会により、基礎理論に関する議論を進めている。 ・基礎理論の議論内容に関する出版計画を立て、上記研究会の成果として、書籍を出版する予定となっている。(近々出版予定、すでに5月時点で最終稿を入稿している状況である。) ・東京大学生産技術研究所、ケンブリッジ大学IfMと共同で、「Knowledge Mobility」についての研究活動を進めている。現在、最初の成果として日系企業の調査と分析が共同で行われ、学術論文としてまとめたところである。これは、国際学会で発表する予定となっている。 ・国内の複数産業分野のリーディングカンパニーに対し、引き続き調査を行う予定である。この調査、および分析は、上記の国内外の学術機関と共同することと共に、より広範囲な研究者との協力関係を構築することにより、深めの議論を展開することを目指すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
書籍出版において、当初の予定より2カ月ほど遅くなっているものの最終稿が入稿されており、また、他の研究進捗状況は良好で、査読つき国際学会への論文投稿も2件採択されている。引き続き複数の論文、ディスカッションペーパーを書き始めており、まとめ出した成果としても順調である。そして、研究協力体制は開始当初の想定より良い形となってきており、国際的な影響力が大きいCambridge大学との継続的共同研究の推進や、5つの産業における国内リーディングカンパニーの研究協力など、現在のところ良好な研究推進体制が保たれている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題は、これまでになかった視点から学術的成果を得る必要があるため、今までの特定の学問領域の踏襲では意味を持つことが無く、極めて新しい理論体系の確立が必要なことである。この点については、既存の学術分野に捉われない、多くの分野を跨いだ議論が必要であり、そのための共同研究会や広い視点からの議論をできるだけ多く行っていくことが重要であると考えている。そのために、領域、地域に捉われないさまざまな協働を推し進めていくものである。
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