中国調査で明らかになったことは、まず、第1に、製造拠点と異なり、製品開発拠点においては、多数の日本語に堪能な現地人材が、日本の担当者と常時コンタクトをとりながら仕事を進めているケースが多い、ということである。第2に、リーマンショックの前後から、新興国向けの製品をそれまでの先進国向けモデルのスペックダウンではなく、プラットフォームのレベルから新たに開発しようとする動きが鮮明になりつつある、という点である。その際、現地の開発拠点が、従来までの日本の開発の単なる補完機能を担うのではなく、製品によっては自らが開発の中心となる動きも萌芽的に現れて来つつある。 日本国内調査で明らかになったことは、上記にもかかわらず、やはりものづくり(開発・生産)の拠点としての、日本の強みがあらためて浮き彫りになったことである。グローバル化が最も進んでいると言われている企業においても、その点に変わりはない。ただし、日本の開発拠点においては、留学生を中心とした外国人を採用し戦力としている企業も存在する点に注目しておきたい。 韓国調査で明らかになったことは、韓国企業においては、日本企業以上に開発拠点の本国依存が強いことである。しかも、グローバル化が最も進んだ企業においても、現時点では、開発拠点においても外国人社員の比率は低い(日本人の顧問エンジニアを除く)。
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