研究課題/領域番号 |
22330128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成生 達彦 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80148296)
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研究分担者 |
中山 雄司 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20326284)
倉澤 資成 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 名誉教授 (40018057)
鳥居 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (40164066)
宇高 淳郎 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40362602)
湯本 祐司 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (50240172)
丸山 雅祥 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60135928)
フラス ディビッド 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授 (60514370)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 流通経済学構築 |
研究概要 |
当年は4年間のプロジェクトの3年目にあたるが、各々が担当分野の研究を進めながら、「流通経済学」の構築に向けて、研究成果をまとめる段階に入ってきた。本研究の主要課題は、①卸・小売システム、②マ-ケティング戦略、③チャネル間競争、④流通の新動向、の4つである。これら各トピックについて、今年度も、査読付きの国際学術誌等に成果を公表することができた。特に②では、研究代表者が、研究分担者2人とともに、Nariu, T., D, Flath, and A. Utaka, "Returns Policy with Rebate" を、定評ある学術誌である、International Economic Review に公刊した。③については、研究分担者によって、Masayoshi Maruyama and Yu Yamashita, "Franchise Fees and Royalties: Theory and Empirical Results"が Review of Industrial Organizationに刊行された。 また、関連分野の研究者間の交流を図るために、本年度は以下のワークショップを開催した。 <南山マーケティング論・産業組織論ワ-クショップ> 日時: 2013 年1月26日(土)、1月27日(日) このワ-クショップにおいて、本プロジェクトの関係者に加えて、応用ミクロ経済学や経営学を専門とする、多数の研究者も加えて、30名程度の参加者のもとで、研究交流を行うことができた。本科研関係者を中心に6件の研究報告が行われ、流通チャネルの理論分析等、「流通の経済学」に関する先端的なトピックスについて、活発な議論が交わされ、研究成果を確認し、今後の課題を見出す機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研プロジェクトは、本年で、全4年間のうち3年目が終了したが、以下に順を追って、ここまでの成果を簡単に振り返っておく。 初年度は、当初の計画通り、全体的なフレームワークの構築を進めて、また、実証分析において必要となる、データの収集に努めた。 2年目と3年目においては、1年目に得られたデータを用いた実証研究、また流通制度にかかわる様々な理論研究等、各分担者に割り当てられた分野の研究を行ってきた。この中で、いくつかの結果は国際学術誌に掲載されるなど、具体的な成果も多く得られた。そして、ここで得られた結果を、国内・海外での学会発表やコンファレンスを通じて、公表することにも努めてきた。さらには、こうした研究成果の発展・統合を目指して、これまで年に2~3回ずつ、本科研メンバー以外の多数の研究者の参加も得ながら、2日間にわたるワークショップを開催してきた。その中で研究成果の再検討を進める一方、新たな研究課題を見出し、本プロジェクトの一層の発展につなげてきた。
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今後の研究の推進方策 |
今年は4年にわたるプロジェクトの最終年度であるので、現在取り組んでいる研究を完成させることと並行して、これまでに得られた多くの成果を統合することに重点をおく。 具体的には、今までの3年間に、本プロジェクトにおいて国際学術誌等で公表された成果について、あらためて、それらの結果に様々な角度から考察を加え、「流通の経済学」の体系を提示することを目指す。それら個々の成果を結びつけるにあたって、本年は、本科研主催のワークショップを2回行う予定である。そこでは、これまで同様、本科研メンバー以外の多数の研究者の参加も得ながら、研究成果を公表・議論していくことで、本プロジェクトで得られてきた成果を再検討し、より精緻化させることを目指す。 全体として、今年度も各研究分担者に割り当てられた、担当分野の成果を発展させつつ、相互の成果を比較・統合していくことを通して、「流通経済学の構築」という最終目標に到達できると考えている。
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