解釈レベル理論を用いた顧客満足規定要因に関する研究

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22330134
• 研究機関: 早稲田大学
• 研究代表者: 阿部 周造 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30060015)
• 研究分担者: 恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652) ; 守口 剛 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70298066) ; 竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028) ; 八島 明朗 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (30583223) ; 阿部 誠 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70302677) ; 須永 努 関西学院大学, 商学部, 准教授 (20438914) ; 石井 裕明 千葉商科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50548716) ; 外川 拓 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (10636848)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2013-03-31
• キーワード: 解釈レベル理論 / 顧客満足 / 選好逆転 / 比較の方向性 / 心理的距離 / 意思決定 / 消費者行動

研究概要

24年度の実績
本研究は顧客満足の規定要因のうち、消費者の感じる様々な心理的距離がどのように満足の時間的変化に影響しているかについて、解釈レベル理論をベースとして、競合する仮説との比較研究を行いつつ、明らかにしていくことを目的としたものである。研究は解釈レベル理論をめぐる消費者行動論の理論的精緻化とともに、顧客満足の変化に対応したマーケティング戦略の提案を行うための基礎的知識としての意義を持つものである。
2012年度の研究は次の五つの研究グループを形成して進めた。グループ１：店舗開設の時点と半年後の時点における顧客満足度の変化を追跡し、6ヶ月の間の顧客満足の構造的な変化を、解釈レベル理論に依拠しつつ、多母集団分析の手法により解明を試みた。グループ２：割引率の捉え方について解釈レベル理論による一般的なモデルを構築し、その理論的・経験的研究を重ねた。グループ３：解釈レベルの測定について、これまでBehavior Identification Form（BIF）尺度が用いられてきたが、項目数が多いこと、国際比較に必ずしも適していないこと等の問題を解決するために、尺度の修正改善及び新規の尺度開発を2011年度に行ったが、そのさらなる妥当性のテストを意思決定に関する諸尺度と関連づけつつ進めた。グループ４：解釈レベル理論と並んで選好の逆転現象を説明する比較の方向性仮説を取り上げ、両仮説の効果差について2010年度の研究における未解明部分に焦点を当てる形で経験的研究を行った。グループ５：マーケティング・コミュニケーションにおける視角情報の提示の仕方が、解釈レベル理論との絡みで、どのような情報処理の差をもたらすのかについて、アイトラッキングの装置を用いた分析を行い、基礎的知見を得た。以上の五つである。
研究結果は国内外の関連学会で発表するとともに、一部は論文の形にまとめることができた。

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 精神障害患者の描画とその画像解析：テクスチャー解析、フーリエ解析、特異値分解を用いて (2013)
  • 著者名/発表者名: 岩満優美・竹村和久・松村治・王雨晗・延藤麻子・小平明子・轟純一・轟慶子
  • 雑誌名: 知能と情報 巻: 25
  • 査読あり
• [雑誌論文] Preference Reversal: Perspective from Generalized Construal Level Theory (2013)
  • 著者名/発表者名: Makoto Abe
  • 雑誌名: Conference Proceedings for ICBEIT2013 (International Conference on Business Economics, and Information Technology) 巻: 0-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] 購買時における解釈レベルと消費者の製品評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 須永努・石井裕明
  • 雑誌名: 市場創造研究 巻: 2 ページ: 4-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] 消費者行動研究における解釈レベル理論の展開 (2012)
  • 著者名/発表者名: 須永努・石井裕明
  • 雑誌名: 日経広告研究所報 巻: 263 ページ: 23-29
• [雑誌論文] RFMデータを用いた顧客生涯価値の算出と、新規顧客獲得への知見 (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部誠
  • 雑誌名: 第６４回全国能率大会優秀論文集 巻: 0-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] 市場志向が創造的ビジネス行動とパフォーマンスに及ぼす影響：小売バイヤーを対象とした実証研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石田大典・石井裕明・恩蔵直人
  • 雑誌名: 早稲田商学 巻: 433 ページ: 247-274
• [雑誌論文] 消費者行動とマーケティング(3)潜在的認知測定と消費者行動分析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 井出野尚・竹村和久
  • 雑誌名: 繊維製品消費科学 巻: 53 ページ: 22-30
• [雑誌論文] 消費者情報処理パラダイムの課題－コンピュータ・アナロジーからの転回－ (2012)
  • 著者名/発表者名: 須永努
  • 雑誌名: 商学論究 巻: 60 ページ: 379-395
• [雑誌論文] 描画の潜在意味解析モデルによる消費者の選好分析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 玉利祐樹・竹村和久
  • 雑誌名: 日本感性工学会論文誌 巻: 11 ページ: 89-95
  • 査読あり
• [雑誌論文] 課金方式のバリエーション (2012)
  • 著者名/発表者名: 守口剛
  • 雑誌名: 季刊マーケティング・ジャーナル 巻: 32 ページ: 4-19
• [雑誌論文] ブランドスイッチ・プロモーションの効果に対するスイッチング・バリアの影響―生命保険における検討― (2012)
  • 著者名/発表者名: 八島明朗
  • 雑誌名: 商学研究科紀要 巻: 75 ページ: 161-180
  • 査読あり
• [雑誌論文] ブランド・スイッチに対するプロモーション変数の影響－ロイヤルティモデルによる検証－ (2012)
  • 著者名/発表者名: 八島明朗
  • 雑誌名: 商経論集 巻: 103 ページ: 13-26
• [雑誌論文] Preference Reversal: Generalized Construal Level Theory (2012)
  • 著者名/発表者名: Abe, M, Moriguchi, T., and Yashima A.
  • 雑誌名: 第45回消費者行動研究コンフェレンス報告要旨集 巻: 0-0 ページ: 65-68
• [雑誌論文] Individual differences in construal level and decision making (2012)
  • 著者名/発表者名: Ideno, T., Okubo, S., Tamari, Y. Takemura, K., & Abe, S
  • 雑誌名: XXX International Congress of Psychology 巻: 47 ページ: 721
  • 査読あり
• [雑誌論文] A brand choice model for scanner panel data using the experiential set (2012)
  • 著者名/発表者名: Katsumata, S and Abe, M
  • 雑誌名: ディスカッション・ペーパー (東京大学経済学部、ものづくり経営研究センター) 巻: 413 ページ: 1-31
• [雑誌論文] A brand purchase model of consumer goods incorporating the information search and learning process (2012)
  • 著者名/発表者名: Katsumata, S and Abe, M
  • 雑誌名: ディスカッション・ペーパー (東京大学経済学部、ものづくり経営研究センター) 巻: 409
• [雑誌論文] Norepinephrine in the brain is associated with aversion to financial loss (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, H., Fujie, S., Camerer, C., Arakawa, R., Takano, H., Kodaka, F., Matsui, H., Takemura,K.et al.
  • 雑誌名: Molecular Psychiatry 巻: 1-2 ページ: 3-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Honesty mediates the relationship between serotonin and reaction to unfairness (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, H., Takano, H., Camerer, C. F., Ideno, T., Okubo, S., Matsui, H., Tamari, Y., Takemura,K.,et al.
  • 雑誌名: Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 巻: 109 ページ: 4281-4284
  • 査読あり
• [雑誌論文] Primary attributes and secondary attributes in consumer decision making: Examination of construal level theory (2012)
  • 著者名/発表者名: Tamari Y., Ideno T., Okubo S., Takemura K., & Abe S
  • 雑誌名: XXX International Congress of Psychology 巻: 47 ページ: 47
  • 査読あり
• [学会発表] 比較の方向性効果と解釈レベルの効果は競合的か併存的か？
  • 著者名/発表者名: 阿部周造
  • 学会等名: 日本消費者行動研究学会
  • 発表場所: 名古屋市立大学
• [学会発表] 消費者行動研究と方法
  • 著者名/発表者名: 阿部周造
  • 学会等名: 日本マーケティング・サイエンス学会
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 招待講演
• [学会発表] 解釈レベル理論と消費者行動の国際比較
  • 著者名/発表者名: 阿部周造・奥瀬喜之
  • 学会等名: 日本消費者行動研究学会
  • 発表場所: 関西学院大学
• [学会発表] RFMデータを用いた顧客生涯価値の算出と、新規顧客獲得への知見
  • 著者名/発表者名: 阿部誠
  • 学会等名: 全国能率大会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 選好の逆転：一般化解釈レベル理論による日米比較
  • 著者名/発表者名: 阿部誠、守口剛、八島明朗
  • 学会等名: 公開シンポジウム『解釈レベル理論と消費者行動研究』
  • 発表場所: 早稲田大学
• [学会発表] 小売バイヤーの市場志向によってもたらされる想像的ビジネス行動
  • 著者名/発表者名: 石井裕明・石田大典・恩蔵直人
  • 学会等名: 商品開発・管理学会
  • 発表場所: 千葉商科大学
• [学会発表] 消費者の情報消化モデル－価値共創の実現に向けた消費者理解
  • 著者名/発表者名: 須永努
  • 学会等名: 日本商業学会
  • 発表場所: 北海商科大学
• [学会発表] 行為目標までの時間的距離と訴求方法
  • 著者名/発表者名: 外川拓・石井裕明・恩蔵 直人
  • 学会等名: 商品開発･管理学会
  • 発表場所: 千葉商科大学
• [学会発表] 他者との心理的距離が贈与品購買行動に与える影響
  • 著者名/発表者名: 外川拓・石井裕明・恩蔵直人・阿部周造
  • 学会等名: 日本消費者行動研究学会
  • 発表場所: 関西学院大学
• [学会発表] 取引特定的顧客満足と全体的顧客満足に対する影響要因の比較-解釈レベル理論を基礎とした仮説の検証-
  • 著者名/発表者名: 守口剛・八島明朗・阿部誠
  • 学会等名: 日本消費者行動学会
  • 発表場所: 関西学院大学
• [学会発表] ブランド・スイッチにおけるプロモーションの効果～スイッチング・コスト削減とインセンティブ増加の比較～
  • 著者名/発表者名: 八島明朗、阿部誠
  • 学会等名: 日本マーケティング・サイエンス学会
  • 発表場所: 電通ホール
• [学会発表] プロモーションにおけるスイッチング・コスト削減の効果
  • 著者名/発表者名: 八島明朗・守口剛
  • 学会等名: 日本消費者行動研究学会
  • 発表場所: 関西学院大学
• [学会発表] How Strong is the Effect of Construal Level Theory?
  • 著者名/発表者名: Abe, Shuzo
  • 学会等名: Global Marketing Conference at Seoul
  • 発表場所: ソウル・韓国
• [学会発表] Preference Reversal: Perspective from Generalized Construal Level Theory
  • 著者名/発表者名: Abe, M
  • 学会等名: International Conference on Business Economics, and Information Technology 2013
  • 発表場所: ケアンズ・オーストラリア
• [学会発表] Preference Reversal: Generalized Construal Level Theory
  • 著者名/発表者名: Abe, M., Moriguchi, T., and Yashima, A.
  • 学会等名: 日本消費者行動学会
  • 発表場所: 慶応大学
• [学会発表] A Brand Choice Model for Scanner Panel Data Using the Experiential Set
  • 著者名/発表者名: Katsumata, S and Abe, M.
  • 学会等名: International workshop on Marketing Science and Service Research
  • 発表場所: 統計数理研究所
• [学会発表] A brand purchase model of consumer goods incorporating information search and learning process
  • 著者名/発表者名: Katsumata, S and Abe, M.
  • 学会等名: International Society of Bayesian Analysis 2012
  • 発表場所: 京都
• [学会発表] Effect of Promotion Reducing Switching Costs Compared with Increasing Incentives
  • 著者名/発表者名: Yashima, Y and Moriguchi, T.
  • 学会等名: Korean Scholar of marketing science 2012 Global marketing conference at Seoul
  • 発表場所: ソウル・韓国
• [図書] 消費者行動論―購買心理からニューロマーケティングまで (2012)
  • 著者名/発表者名: 守口剛・竹村和久
  • 総ページ数: 216
  • 出版者: 八千代出版
• [図書] 新・消費者理解のための心理学 (2012)
  • 著者名/発表者名: 竹村和久
  • 総ページ数: 237
  • 出版者: 福村出版
• [図書] E.P.. Dadios(Ed.), Fuzzy Logic-Algorithms,techniques and implementation “Ambiguity and social judgment: Fuzzy set model anddata analysis” pp1-22 (2012)
  • 著者名/発表者名: Takemura, K.
  • 総ページ数: 294
  • 出版者: InTech