研究分担者 |
伊藤 龍峰 西南学院大学, 商学部, 教授 (50184669)
森田 佳宏 駒澤大学, 経済学部, 教授 (90248534)
岸 牧人 法政大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (90264324)
井上 善弘 香川大学, 経済学部, 教授 (60253259)
片岡 洋人 明治大学, 会計専門職研究科, 准教授 (40381024)
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研究概要 |
平成22年度は,研究全体に関するフレームワークを設定するため,「学」の研究,「産」の研究,および「監」の研究を同時並行して行った。「学」の研究では,1.借入費用の資産計上と2.未消化有給休暇残高の負債計上について検討した。1.については,IFRSが導入されれば,一般事業会社は,適格資産の取得、建設または生産に直接起因する借入費用を当該資産の取得原価の一部として資産化しなければならなくなるが,その場合の適格資産と借入費用の範囲,および資産化するための条件について検討した。また,わが国においては,従来,固定資産を自家建設する場合と不動産開発事業を行う場合,「連続意見書」において借入資本利子の原価算入が認められてきたが,これとの相違についても検討した。2.については,従業員の未消化有給休暇残高を会社が負債計上するための前提条件について検討した。とくに,会社が,毎期,従業員個人別の未消化有給休暇残高を把握する方法について検討した。以上の結果,いずれも一定の成果が得られたが,来年度も引き続き検討することにした。「産」の研究では,東証一部上場会社に対してIFRSが全面適用された場合の資産・負債の評価に関する考え方,評価態勢,評価基準および測定方法等に関して,アンケートを実施した。アンケート項目の設定は平成22年4月~8月に行い,アンケートの発送は8,月末,そして回収した後,解析は10月から平成23年1月にかけて行った。この結果は,『企業会計』(中央経済社)に平成23年7月号~9月号の3号にわたって連載する予定である。「監」の研究では,IFRSの全面適用による資産・負債の評価基準と測定方法への影響について,上記アンケートの解析結果に基づいて未消化有給休暇残高に関する監査手法と監査証跡の確保について検討した。これは平成23年度も引き続き実施する。
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